第76話値下げ交渉
今日は朝直行で泌尿器科の検査です。
検尿と血液検査を先に済ませて、1時間ほど泌尿器科の待合室で待たされます。
女性社員達には各ホテルからの支配人からの設備・工事予定を送ってきてもらいエクセルにしてもらいます。
昼からは一昨日からの続きで大口納入業者と商談です。
「前月の検査結果ですが、再発はありません。表在性がんではTUR後、1年目は3ヶ月ごとに内視鏡検査と尿細胞診検査を行います。再発がなければその後の2~5年間は6ヶ月ごとに行います。5年以降は1年に1回ですが、原則として10年以上続けます。今回は抗がん剤の副作用が強かったので、少しずれましたが6ヶ月ごとの検査に変わります」
もう泌尿器科からは薬が出ていません。
会社に戻るとすでにリンネの最大大口業者の社長が来ておられます。
これで主要な納入業者と5社会ったことになります。
「お宅の社長から少し聞いていますが、値下げの依頼は受けれないことにしています。それにご存知のように社長に個人的な貸付もしていて決めたものなのですよ」
物腰は軟らかいですが、なかなか手ごわい相手です。
「貸付は500万でしたね?一括返済を検討しています。御社の商品は1割は割高なんです」
こういう交渉は前の会社で苦労してきました。
「強硬ですね?」
「このままでは赤字倒産もあります。それで本社から出向してきたのです。一応同業のD社に見積もりを取っています。ここなら26のホテルをすべて受けて、今の2割ダウンです」
「まいったなあ。いい部長が来ましたね。今現在12社を担当させていただいていますが、後近くの3社をお願いできますか?それを条件で1割ダウンで、社長の貸付はそのままでどうですか?」