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第60話環境の変化
少しずつ日常生活への意欲が出てきました。
ベランダ菜園復活です!
彼が言っていた通り朝社長室に呼ばれました。
社長と息子二人です。
「ホテルの改善提案書を読んだが、ここはリクルートのような大きな会社じゃないから、ぼちぼちやっていくんだな。すべて現場の社長に任せているので仲良くやってくれ」
息子が無言で出向契約書を出してくる。
やはり彼の言った通り総務部長兼務とあり経理部長とあります。
「君の言う赤字であるという調査からしてくれ。まずそこをやれば帰ってきてもらう」
短期出向のようです。
私の感じでは息子もホテルの会社が赤字であることは漠然とわかっているようです。
でも彼は極端に親父を恐れているようです。
「報告はどうしますか?」
「取敢えず息子に適宜入れてくれればいい」
社長はまだホテルが赤字経営であるという実感はないようです。
「それと裁判の方は何時でも引継ぎができるかね?」
「はい。資料はすべて目を通しました」
どうやら専務から仕事を引き継ぐ流れは変わらないようです。
この出向は腎不全と排尿痛にとって大きな転機になるような気がしています。