第55話泌尿器科医師の退職!?
退院して1か月がたちました。
排尿痛は相変わらず続いていますが、痛みにも人は慣れて来るものですね。
でも褐色の血尿から白い色の尿に変わりました。
それが原因かどうかわかりませんが、飛蚊症が気にならなくなりました。
仕事の方もホテルの資料をすべて検証しました。
自分なりに問題点が見えてきましたが、現場に行ってみないこと改革は見えません。
息子はホテルから離れた気持ちでほっとしているようです。
社員の中では私は緩衝地帯に入り込んだようで興味の目で見られています。
今日は泌尿器科の1か月検診です。
専務に病院に行くと報告したら、もう上司やないから報告はいらんと言うことです。
検尿検査を終え1時間ほど待ちます。
あの無口な愛想の悪い医師の顔を想像してドアを開けます。
看護婦が内視鏡の台に連れて行きます。
この姿勢にも最近は慣れてきたようです。
にこやかな少し若い医師が内視鏡の検査を始めます。
ずっと痛いものと覚悟していたのですが、今日は痛みが不思議とありません。
「カメラを覗いてみませんか?」
こういう説明も初めてです。
「再発は見られません。膀胱萎縮で半分の状態ですが、少しずつ痛みが治まってきますね。膀胱も元の大きさは無理かもしれませんが、回復は可能ですよ」
検査を終えて出がけにいつもの看護婦にいつもの医師のことを尋ねました。
「退職されました」
と説明を避けているようでした。