第50話納得できる回答
始めて会社から連絡が入りました。
総務課長が読み上げるように携帯の留守電に入れています。
「社長が退院してきたら話があるので社長室に来る日を知らせること」
それだけが入っています。
それで例の担当の女医の来るのを待っています。
「あの女医さんは何時もどこにおられるのですか?」
薬を運んでくる看護婦に聞きます。
今回は薬は毎回運んでくるようになっています。
「あの人は先生で透析室の責任者をされています。透析室に行けばほとんどおられます」
それを聞いて、昼過ぎに初めてビルの4階にある透析室に入りました。
ここはどことなく違う風が吹いているように思いました。
「あの退院は何時頃になるかを聞きに来ました」
「それは症状によりますね。前に見せた主要な検査値が安定すことです」
「会社の方からいつ退院できるかと言ってきてるのです」
「会社員の方は大変ですね。まずクレアチニンが4台を今週いっぱい維持できるかです。その他は時間をかけて薬で対応するしかないですよ。部長に伝えておきます」
「でもクレアチニンを維持するのは無理ですね?」
「今回はそうとは思いません。かなり短期間でクレアチニンが上昇しましたね。その原因がどうも痛み止めと睡眠薬ではないかと。それならば数値は戻りますし安定します」
何かすごく納得できる回答でした。




