第42話先が見えない
珍しく不動産部長から部の飲み会に誘われました。
今の状況では精神的に飲み会に参加する場合ではないのですが、彼と揉めるのは良策ではありません。
入社間もない立場ではと飲み会に参加しました。
不動産事業部だけでしっかりまとまっている感じです。
「専務と飲みに行ったようだね?」
彼は私より3歳上です。
「取敢えず裁判を引き継ぐのとになっていますので」
「でも不動産にも入ってきてるじゃないか?」
「それは社長の依頼で」
「経理課長も口を出されるので嫌がってる」
「それも社長からの指示ですよ」
「分かっている。社長はあんたを気に入り始めている。だがな、あの人はすぐに飽きてくる」
私はすでにトイレが我慢できなくなっています。
それで席を外すと、今度は部長がトイレに行ったようです。
課長がいつの間にか私の横に座っています。
「はっきり言うけど、専務と組むなら全員を敵にすることになるよ」
どうも部長の代わりに言ったような感じです。
「それに息子と仲良くなってもろくなことはない。社長は息子を2代目にする気はない」
とにかく複雑な会社です。
トイレの回数と排尿痛は何とか克服できそうなのですが、いつまで続くのかそれが不安です。




