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第201話泥仕合

ハロワークより呼び出しがあり行ってきました。

「労働審判は終わったのでしたら仮払いの失業手当を返還してください」

この人はいつぞや会社都合を訴えたのに、冷たく離職票に基づき自己都合だと言い放った職員です。

「労働審判は決着がつかず一般裁判になりました」

「そんなはずは?労働審判でほとんど決着つくと聞いています」

「つかなかったから仕方がなく今も係争中です」

「証明できるものはありますか?」

さすがにムカッと来ました。

「でしたら差押えでもどうぞ」

部屋を出た時に不動産事業部の彼女からの着信を見つけました。

「携帯くれました?」

「はい。前に専務の不正を探していると言いましたね。それが今日弁護士が来て損害賠償の訴訟をすることになりました」

「不正などした覚えはないですよ」

「そうなのです。専務のものは見つからず、不動産部長と課長とあと数名出て来たらしくそちらに出向した部長も入っています」

「君は?」

「私は不味いと思って参加していなかったのです」

「工事代金のバックや広告代のバックです。不動産部長はもっと大きい中抜きをしてしていたようです。それで解雇は宙に浮いて工事部だけが残されました」


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