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第183話家探し

「足の吊はどうですか?」

「そちらで貰った痛み止めと睡眠薬でずいぶん楽になっています。それと我慢して歩くようにしていると足の水のたまりも調子がいいようです」

「ほどほどの運動はいいと思いますよ。食欲はどうですか?」

「日中はそんなのでもないのですが、夜中から朝にかけてむかつきます」

「クレアチニンは6.96と厳しい境目ですが、尿酸値が少し改善していますね」

主治医がいつものように検査結果を見て問診します。

終わって薬を並びます。

肩掛け鞄に入りきれない薬の量です。

とくにカリウムを便から出すリンゴ味のゼリーがかさばるのです。

不動産事業部のあの女性からの携帯です。

「今日は社長が東京の元受のトラック会社に呼ばれて出かけています。不動産部長が出した告発文でのヒヤリングですが、今社長から専務に電話が入って運送の社長も解任という発表がありました」

「また従兄弟の社長も犠牲ですか?」

「首じゃなくてホテルの仕事に平で入るようです。それと総務部長が全力を挙げて専務の不正の調査を始めました」

「裁判の証拠探しです。何も出て来ないですが」

どうも専務と総務部長の怪しげな連携が始まっているようです。

互いにいつ足を引っ張るか狙っているようです。

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