第150話暴対室取り調べ2日
「今日は鞄はいいですわ」
今日は朝10時から取り調べ2日目です。
「あんたは訴状が届いた時本社に連絡もせずに後日和解やと言うたと証言があるんやが?」
「それは誰ですか?」
「本社の人間や。全員が言うとるで?」
丸刈りの暴対の刑事がポンポンと調書を叩く。
「提出したUSB見てもらいましたか?ちょっと差し込んで見せてくれませんか?」
調書作成用のパソコンはネットには繋がらないですが、立派にUSBは見ることができます。
「これは訴状が届いてからの打ち合わせのスケジュールの記録です。訴状をまずホテルの社長に見せて、すぐに顧問弁護士を呼んでします」
「この弁護士は連絡着くか?」
「ここに連絡先もありますよ。部長も同席してますから彼にも聞いてください」
「この記録が事実だと証明できるんか?」
「ちょっとパソコンの分かる人を呼んでください」
若い刑事が入ってきます。
「書き込んだ日にちは変えられません。この日に書き込みスケジュールを、この日に本社の幹部会議に持ち込んでいます。これが議事で・・・」
「この人の言うとおりです」
若い刑事に言われて頭を傾げています。
「逆に本社の人間に幹部会議も開かず、議事録も見ていない、顧問弁護士も知らないと言える証拠を貰ってください」
「・・・その部長を呼べるか?」
「はい。ここから呼びますよ」




