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第146話事実のみを語る

シニアNPOの職業訓練が始まりましたが、風邪を引いたようで体中が重いです。

血圧を測ったら180もあります。

内科から貰った風邪薬を飲みます。市販の薬を飲んでえらい目にあったことがあります。

メールでホテルの社長から昼時間に会ってほしいとありました。

「弁護士と親父に呼ばれて会ってきたんだが、刑事訴訟の原告から被告に降りろと言われた」

顔色が悪く目が血走っています。

「H署の知能犯刑事からも言われているのじゃないですか?」 

「今日3時から呼ばれている。調書の取り直しだそうだ」

「実際どうだったのですか?」

「元々親父が社長から預かって管理していたんだ。だから社長にはノウハウはほとんどない。それで親父の息子がホテルの社長にと話は決まりつつあった。だが息子はできないと断ったので代打として私が社長になった。親父の出向社長みたいな感じだった。そのうちに本社の社長に可愛がられゴルフに行ったり食事に出かけた。内々で役員報酬が出る話になり、親父に話すと別会社の給料がカットされると思い内緒にした」

「一つ内緒にしたらどんどん内緒が増えて行ったわけですね?」

「本社の社長はいずれ親父を株主から外そうとしていた。でも加担したことはない。内々に独断で進められていた」

「そういう書類に判を押した?」

無言で頷いている。そういう意味では私もまったく知らされていなかった。当然周りの幹部も知らない。

「それを刑事が追及した」

「ああ。これからどうなるんやろ?」

「私が解雇になって1か月後部長が退職、でも社長はまだ社長で残っている。本社の社長からいろいろと話があると思いますね。でも今の位置にいることは極めて危険だと思いますよ。右か左か・・・」

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