第141話相棒の退職
職業訓練の面接にシニアNPOに出かけます。
最近は会社を辞め睡眠を長くとれるようになり、体の調子は何とか維持できているようです。
この頃は第二の仕事としてシニアNPOを考え始めていました。
面接に来る人を見ると30歳代から70歳まで様々なようです。
面接中携帯のバイブレターが鳴ったのでまた警察かと思いました。
表に出て携帯を見ると元相棒だった部長からの2度の着信でした。
「こちらから携帯を入れても・・・」
最近はあてにならない相棒だというイメージになってきています。
「いやすいません。元専務のホテルの支配人に頼まれてついつい・・・」
「またいい話に引っかかった?」
「それです。自分でも呆れてしまいます」
「それで何をさせられていた?」
「専務のパソコンの中身の復元です」
「大半の重要な情報は消してあっただろう?」
「ええ、でもそれがすべてと報告しました」
それはそれでよかったという気がしました。
「それで?」
「今日総務課長が来て、自己都合退職の引き継ぎ期間が終わったと離職票を持ってきてサインを要求したのです。元専務は姿が見えません。どうもまた罠にはまったみたいです。私は頭にきてそのまま会社を出てきました。不当解雇は無理ですか?」




