第13話食事療法
膀胱がんについては実感のない入院となりました。
痛みもなくちょっとあっけない感じです。
それよりも腎不全の治療に突入したように思います。
毎日内科の若い女医さんが覗きに来ます。
「血圧と血糖値を抑えることから始めますね」
と言われて、初めて自分の数値を見ます。
血圧は75-180で血糖値は200に行く日もあります。
「まず腎臓病の軽症の時期から食事療法をすることにより、確実に腎不全への進行を遅らせることが可能です。腎不全は血清クレアチニンの値が2 mg/dLを越えた状態を言います」
4.5mg/dLですからもう立派な腎不全です。
「塩分の過剰摂取は腎臓に負荷をかけ、また血圧も上昇させます。1日の塩分摂取量は5~7gまでとし、できれば5gまでとするとより効果があります。蛋白質は体重 1㎏当たり0.6g/日が必要とされ、一日換算で約30g~40gです。
低蛋白食によりエネルギー摂取が不足すると、体脂肪を燃やすことで不足するエネルギーを補充しますが、その際に細胞が壊れて多量のカリウムが血液に流出しますので、エネルギー補給を十分し、体脂肪が燃えないようにすることも大切です」
説明を受けますがもう一つ実感が湧きません。
ただ女房は細かな計算を見てため息をついています。
「カリウムとリンには特に注意が必要です」
でも本人はまだ会社のことが気がかりです。




