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第120話不当解雇!
夜遅くに不動産部長から携帯に電話がありました。
「社長と先ほど話したのだが、希望があれば聞くから明日本社に直接来てくれ」
伝言のような一方的な伝言で電話が切れました。
私は翌朝スーツの内ポケットに障害手当の申請書をしまい込みます。
「社長に呼ばれてきたのですが?」
出てきた女性社員が応接室に案内して、
「まだ来られていません」
と何か曰くありげなトーンで部屋を出ていきます。
30分経っても誰も現れません。
すると急にドアが開いて総務課長が入ってきます。
「不動産部長と話をしていたのだが?」
「私が社長から引き継ぐようにと連絡を貰っています」
「では社長と話をします」
「社長は来ませんよ。これが解雇通知で自己都合書類に印を押してください」
「会社都合にも?」
「懲戒免職ですよ」
総務課長がにやにや笑っています。
「解雇理由は?」
「知りません」
「不当解雇だ!」
透析人間ベムに続く道は不当解雇の道だったのか。




