第118話盗聴テープ
今日は女房に病院まで車で送ってもらいます。
昨夜は3度15分程度の足のつりが続いてほとんど眠れませんでした。
足が浮腫んで像のようになっています。
いつものように主治医がパソコンを覗き込んで、
「クレアチニンは6.99と踏みとどまっていますが、尿酸値は上がってきてますね」
「足のつりがひどいのです」
「水が足にたまっていますね。漢方薬を追加しましょう」
「障害手当を申請しようと思っていますが、診断書はお願いできますか?」
「はい。仕事を続けるのはしんどいでしょうね。必要書類が揃えば受付に提出してください」
少しホッとしたような妙な感じです。
相棒からすぐに本社に来るようにとメールが入っていました。
本社に入ると総務課長に応接室に案内されます。
「社長からの呼び出しでは?」
「社長は出張中です。不動産事業部長と話をしてもらいます」
別人のような顔で不動産事業部長が入ってきて無言でカセットテープをテーブルに投げ出します。
「これは幹部会の盗聴テープだ」
「誰が?」
「元経理の支配人や。これを社長に出すのを独断で止めている。ここで辞表を出すならこれも公表しない。自己都合で処理をする」
どうも教えられた言葉をしゃべっているような感じです。
「聞かせてもらえませんか?」
「では社長に渡す」
「どうぞ」
全く何を考えてるのか想像つきません。




