第116話最後の報告書
昼の時間に障害手当の申請用紙を取ってきました。
足のつりは毎晩続いています。
最近は歩けず、バスに乗って通勤をしています。
今日は4時から髭の専務とホテルの社長を呼び出しています。
本社で何が起こっているか分かりませんが、まさか髭の専務を新社長に据える愚は犯してもらいたくありません。
4時きっかりに社長が来て、15分遅れて髭の専務がナンバー2を連れて入ってきます。
今日は部長にも同席して事実をしっかりと聞いてもらいます。
髭の専務の使い込みを項目で紙に書き上げました。
「今更こんなことしてもだめですよ」
彼は紙をテーブルの端に退けてにあにあ笑っています。
「社長も調べましたか?リホーム代金のバックを受け取っています。証拠はこちらにある」
「それはこれじゃないですか?」
私はファイルの中から本社に報告済みの資料を出します。
「このバックは運転資金に回されていて報告済みです。でも専務のお金の行き先は分かりません」
髭の専務は30分も黙り込み突然部屋を出て行きました。
私はこの報告書に今日の交渉を添えて本社の社長にメールを流しました。
もうこれくらいしかできないようです。




