第107話尿毒症
24時間の尿量が500cc以下を乏尿、100cc以下を無尿と言いますが、この乏尿あるいは無尿を生じます。この乏尿ないし無尿は、腎障害が起こって24時間以内に生じます。
これは血液透析のパンフレットにあった説明です。
現在は計ってみたら、450ccでした。ほとんど1回のトイレで20cc~50ccほどしか出ないのです。
筋力低下、高血圧、貧血、口臭、食欲不振、網膜症、皮膚かゆみの症状が出てきています。
これは典型的な尿毒症のようです。
「彼女に聞いたら、あの元経理の支配人が昨日社長室に息子と入ったそうです」
「困ったね」
朝、ホテルの売り上げ予想を社長に送ったところです。
「少しいいですか?」
最近髭の専務の派閥から外れたという噂の北の支配人です。
分厚い封筒をテーブルに置きます。
「開くよ」
大阪地裁からの訴状です。
どうも今のこの会社の取締役からの訴えのようです。
「顧問の先生を呼んで?」
相棒が連絡を入れますが、現在は留守電になっています。
新しい会社を立ち上げていますが、この会社の債務継承に行き詰っていたのです。そこになると社長が歯切れが悪いのです。
「どうも本社が無断でこの取締役の株式を買い取った上株式を分割したようで、無効の訴えを起こしている」
何ともこの封筒は会社にとっても私にとっても不幸の始まりでした。