第104話崖っぷち
不動産部長と飲んだ話はみんなに伝わっています。
女性係長から日々メールが相棒に入るようです。
この手の会社は経験がありません。
「専務ちょいっといいですか?」
相棒の部長が椅子を転がせながらそばに来ます。
「昨日幹部だけで集まって話をしたようですよ」
「誰と誰が入った?」
「不動産部長、総務課長、経理課長、運送の社長、息子です。議題は専務の退任についてです。例のごとく社長流で専務の退職の時期とその後の相談役につけるかどうかです。彼らで決めたら答えは決まってますものね」
「結果は?」
「5対0で退任時期は8月末、相談役に任じるべきではないとの結論で社長に部長が話を終えました。問題は専務の後任ですわ。いつもの通り息子は辞退で、2対2です」
「不動産部長ではなく誰が?総務課長が今度は運送の親戚の息子を押したんです」
「社長には報告を?」
「したらしいですが、専務の引退は頷いたらしいですが、専務の後任には聞きもしなかったようです」
「まあ、それは様子を眺めていましょう。それよりホテルの人事と給与では髭の専務は押しかけてきませんね?」
「これはうちに時々来ている北の支配人が派閥内でも賛成反対が入り乱れていて髭は弱腰になっているそうです」
今がチャンスです!
だが、私の体は崖っぷちです。