プロローグ2[変わった誕生日]
長かった授業も終わり、俺は少し足早に教室を出ていく、その早さは、好きなキャラのピックアップが来て、急いで魔法のカードを買いに行く人ぐらいの早さだ。
学校から出て約5分で駅に着き、電車に乗り、家の方へと向かった。
駅からざっと15分ぐらいで着き、俺はドアの前で足を止めていた。
「ん?」
いつもなら閉まっているはずのドアが開いていて不思議に思ったが、得に気にすることなくドアを開けた。
すると玄関に見覚えのない男用のサラリーマンが履いてるような靴が並んであった。
「誰だ?」
普段、何かの勧誘系が苦手な母は見知らぬ人なら絶対に家に入れないぐらい注意深い人だ。
そんな事を思いながらも、靴を脱ぎ、リビングに継っている廊下を歩き、リビングの扉を開けた。
「ただいま」
扉を閉めて母の方を見ると、そこには母と楽しそうに話している見知らぬ男性がいた。
「あ!優君おかえりなさい!」
母がこちらに気づき、見知らぬ男性に何か話してから、俺の方へと来た。
俺の方へと向かってくる母の姿は、どこか嬉しそうにしていて、こんな母を久しぶりに見れてどこか安心してしまった。
「優君!こっちへ来て!」
「お、おう…」
母に引っ張られるがままについて行き、ソファに座らされた。
俺の目の前には見知らぬ男性が座っていて、自然に見つめ合う状態になっていて、一部の女子が見たら、変な想像をされるのではないかと思ってしまうほど、俺にとっては、居心地の悪い状態だった。
「え、え〜と…」
お互いの沈黙が続く中、これ以上待てないかのように母が見知らぬ男性の横に座り、
「優君、私この人と結婚するの」
「・・・そっか」
驚いたはしたものの、この状況を少し考えればわかる事だった。
見知らぬ男性の容姿は、すごく真面目そうで、いざとなれば母を守ってくれそうな人だった。
母の幸せを願う俺からすれば、凄くいいことであった。
俺は今後、父となる男性の前に立ち
「母をよろしくお願いします」
本格的に結婚が決まり少し浮かれている大人を前に俺は、楽しいけど、静かな家庭を望む、そんな想像している俺に父が
「あっ!そうだ一週間後にうちの娘も来るから」
「えっ!娘ですか?」
話を聞くと、父もいわゆるバツイチらしい、今は娘と二人暮しをしているようだ。
母の結婚相手の娘、つまりは俺の義理の妹になるという事だ。
結婚を認めてしまった以上、娘がどんな人か聞いて嫌になって、やっぱ結婚取り消しになる訳がないので、娘のことに関しては深く聞かなかった。
「じゃあ、今日のところは、これで」
引越しや色々準備があるため、一緒に暮らすのは一週間後らしい。
俺は制服だったので、着替えるために自室へと向かった。
着替えや荷物などを自室において 、やっとゆっくりできるような時間ができた。
今日は、色々驚く事ばかりですごく疲れた、この疲れは夏コミの帰りにも匹敵するだろう。
椅子に座り落ち着くと、今日の事がフラッシュバックしてきて、不意に父の娘の事を思いだす。
正直、娘の事は全く聞けてないので、いまいち想像がつかなかった。
ただ、これから一緒に住んでしかも義理だが妹になるのだから仲良くしていかなければならない。
「はぁ〜妹かぁ〜」
深くため息をつきながら、これから、妹に対しての行動や言動に気をつけなければならない未来に鬱になりそうになる。
俺は、疲れたのか眠たくなってきベットで寝る体勢に入った。
部屋は真っ暗の中天井を見つめ思った
(あぁ〜静かでおとなしければいいなぁ)