表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/13

事件解決?〈1〉

「女王陛下。貴族の皆様をお連れいたしました」

「ありがとうございます。下がってよろしいですよ」

「は!」


 女王陛下は兵士達に、『貴族の皆様を先程行われた食事場に集まってもらうように』と指示を出してもらった。

 そして、セレナさんにはアスカに来てもらうように頼んだ。


「女王陛下。いかがなさいましたか?」

「えっと、それは...」

「俺が陛下に頼み、集まってもらいました」


 俺の言葉にどよめき、数人は怒りを露わにしていた。


「また貴様か小僧!」

「まあまあ落ち着いてください。実は皆さんに報告があって集まってもらいました」

「報告だと?」


 俺の言葉に全員が反応する。

 全員の注目が俺に集まったの確認し、話し始める。


「まず、第1に先程兵士達からの連絡でこの城から誰かが出て行った。ということは、なかったそうです」

「それはつまり...」

「ええ、犯人はこの城の中。そして、犯人はこの中にいます!」


 ざわっと雰囲気が変化し、セレナさんの顔色が変わる。狐の耳をピンと立て、違う、自分じゃない、とその目が訴えかけている。わかっているのだ...正直可愛いのでこのまま無視していたいのだが...。


「ふん!やっと認めたか!やはり、この女狐が、」

「セレナさんは犯人ではありません」


 ざわざわっとさらに雰囲気が変化、セレナさんの表情がパァァ!っと明るくなる。・・・感情豊かだな...。


「ではいったい誰だと言うんだ!」


 おっと、今は謎解きが先だな。


「それでは一つずつ紐解いていきましょう」


 そう言って、再び全員が俺に注目する。

 俺は台の上に置かれていたワインを手に取る。


「事件の発端は、王様がこのワインを飲んだことです。これを飲んだ王様は苦しみ出し倒れた」

「ふん、そんなことここにいる全員が知っておるわ!そして、そのワインはそこの女狐目が持ってきたものであろう!」

「確かにこのワインはそこにいるセレナさんが持ってきたものです。ですが、おかしくありませんか?」

「何がだ」

「セレナさんの話ではこのワインを持ってこちらにきたのは俺達ドラケイル家が来る前、この城についたらしく、その後すぐに風呂を借りたそなんですよ。そうですよね、女王様?」

「ええ。疲れたでしょうし、女の子なんだから気に入ってもらえると思って」

「は、はい!とても素敵でよかったと思います」

「ふふ♪それなら良かったわ」

「ということから、セレナさんがこのワインに毒を入れることはできなったというわけだ」


 俺は女王様とセレナさんの会話を含め、証明していくが、それでもなお納得できないのかゴブリン伯爵は未だに食らいついて来る。


「し、しかし、実はこちらに向かう前に毒を盛った可能性があるではないか!」

「・・・実はこのワイン。セレナさんが用意したワインじゃないんだよ」


 ざわざわ


「そうだよな。セレナさん?」

「は、はい。そのワインは国王様に頼まれて待ってきたものです」

「確か、このワインはアトラス国王のお気に入りだったんですよね?」

「はい!私に渡す時、10本ぐらい同じワインが見えました」

「それでは皆さんに質問です!10本中100%毒入りのボトルを取り出すことができる人、いますか〜?」


 そう聞くと、全員は途端に静かになった。


「・・・誰もいないっと。それなら、『あいつなら、もしくはあの人なら取り出せることができる』なんてこと言わないでくださいね〜」

『!』


 これははっきり言って先手を打った。これはセレナさんを含めアトラスの人たちなら、やってのけれるんじゃないのかと言った発言をさせないためだ。

 一々答えていたら話が進まない。


「さすがに、10本も入っていたんだ。きっと、自分飲むようの分も含まれていたんだろう。自分が飲む可能があるワインに毒なんか入れるとは思えないなぁ...」

「・・・ッククク、クハッハッハッハァ!」

「・・・いかがなさいました?ゴムリン伯爵?」


 セレナさんの無実を説明していると、突然ゴブリン伯爵が笑い出した。


「なるほどなるほど、何を一々調べているのかと思えば、貴様!アトラスの内通者だな!」


 ざわざわざわ!っとさらに雰囲気が変化する。

 今目の前にいる子供が内通者!?っと騒ぎ始める。


「貴様が女狐を庇うのはそれが理由だ!自分が内通している者が危険に晒されている。それを庇うために、貴様は我々に罪を擦りつけるつもりなんだ!」


 ゴブリン伯爵のオーバーアクションに溜め息が漏れる。そして、それに乗せられた貴族は再び騒めく。離れたところでは母さんと女王様がニコニコとお茶している...。何やってんだ...?そのすぐ側には王女様がオロオロしている。セレナさんは嘘!といった表情を浮かべており、アスカはゴブリン伯爵を見て呆れていた。

 なんだかすごいカオスだ...。


「どうした?何かいうことはないのか?」

「あ、いいの?じゃあ...」


 俺はゴブリン伯爵に指を指しながら、


「やかましいぞ。いいかげん黙れよ。()()


 いい加減めんどくさくなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ