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幽体離脱

制服を着た少女が銃を撃ちまくる小説を書きたくなって書きました。

レビュー、感想があればお待ちしています。


挿絵(By みてみん)

 その日、深夜の東京は、幽体離脱を経験した。



 生ぬるい空気がまとわり付く熱帯夜だった。

 午前0時が回る直前、山の手線線路を境にして内側で異変が起きる。何の前触れも無く同地域の犬が地面に向かって狂ったように吠え出し、住人は外を確かめようと身体を動かした瞬間、魂だけの姿で吹き飛ばされた。

 彼らは、建物をすり抜け、はるか上空まで打ち上げられると、吹き飛ばされた時と同じように、唐突に何かに受け止められて急停止する。


 上空では、幽体離脱した人が、自分の周りで同じように浮かんでいる人々と目を合わし、口を開けたまま自分に何が起こっているのかを必死で理解しようとした。


 そして急落下を開始した。


 彼らは、高速落下が始まってようやく恐怖を自覚する。

 地面に叩きつけられると思い込んだ魂は、無事元の身体に戻ったのに、落下の恐怖に負け、命を落とす犠牲者を大勢出す。


 心臓発作やパニックで生じた死傷者は10万を超え、ただちに自衛隊の災害派遣が行われた。



◆◇◆


 集団幽体離脱災害の最中、唯一建物倒壊が起きていた上野公園付近で、怪異が発生していた。


 救護活動中の陸上自衛隊員が、緑色の子鬼の群れから襲撃を受け、12名が血しぶきを上げて倒れる。

 その直後、犠牲になった自衛隊員12名は、他の隊員が見ている前で薄く透明になって消えた。


 謎生物に襲われた部隊からの救援要請に、公園近くで災害救助活動をしていた習志野駐屯地の部隊が駆け付け、金象印社製の円匙(スコップ)片手にこれを蹴散らす。


 未知の生物は、西洋美術館の敷地にあるモニュメントの中に逃げ込んだ。

 緑色の子鬼が逃げ込んだ先に有ったのは、彫刻家オーギュスト・ロダンの『考える人』が見下ろす、扉のモニュメント『地獄の門』。


 開くはずの無かった『地獄の門』が開いていた。


 小鬼を追って、門の中へ入った習志野駐屯地の精鋭達が見下ろした光景は、光る壁と天井に閉鎖された巨大な空間……中央へとすり鉢状に連なる人影の絶えた街並み、中央の巨大な穴、穴の中から生える巨大な樹木、穴の断面から見える幾つもの地下空間層。


 後の調査で、集団幽体離脱災害ぎが起きたJR山の手線エリアをなぞる様に、全く同じ大きさの地底都市(ダンジョン)が出現していた。


 以後、都内山の手線内側で怪異が起きるようになり、政府は怪異スポットを『エリア山の手』と名付ける。



 JR山ノ手線内側で起きた集団幽体離脱災害、上野公園に現れた緑色の子鬼、消えた12名の自衛隊員、開いた地獄の門、エリア山の手で度々起きる怪異、そして地底迷宮都市(ダンジョン)



 未曾有の大災害の影で起きた西洋美術館前での怪異は、大勢の運命を巻き込んだまま、極秘裏に国家の管理下に置かれる事となった……。


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