7話
本当は改行とかきちんとやらなくてはいけないんですよね。うん……いつか直します←
赤色といっても色々あるわ。明るかったり暗かったり。でも私の目の前に現れた赤は太陽のような、とっても暖かい色だと思った。
私はこの感じをずっと前から知ってるような気がした。
『薄命な人の子よ。お前の業は何を示す』
赤い色の光から聞こえた声に私は驚いた。お父様の姿を見た次には不思議な空間へと一転して私の目の前には先程聞こえた声の主である存在。
「私は、私は……」
眉を下げ、カサカサの唇から紡ぐ声は徐々に小さくなっていく。目の前の存在の射ぬくような視線に思わず耐えきれず手前に組まれた痩せ細った自身の手を見てしまう。それでも強く感じる眼差しに怯えながらもぽつぽつと応えるのだった。
「私は、産まれた時に一つの枷を持って産まれました」
枷……。この話しを誰かに話すのは初めてだった。ずっと隠してきたけど恐らく勘のいい両親にはばれていたと思う。でも己のしてきたことに後悔と思ったことは一度もなかった。それ相応の覚悟もしてきたのに、最後の最後でぶれてしまった事を。だからこそ命が散る前に引き止められ、この場で尋問されているのかも。
私は今ここで清算するべきなのだろう。最後になってできた我が儘を。
「私は……。ずっと、ずっと家族が幸せになることを願ってました。私が居なくなっても、誰も寂しくないように願ってました。そして弟が産まれ安心しました。もう、大丈夫なんだって。弟は身体も丈夫で精霊様も付いていてくれます」
だからクランブル家は安泰なのだと。これでお父様お母様、使えてくれてる皆が私は居なくなっても、大丈夫なんだって。寂しくないんだって。いつも発作のたびにそうやって言い聞かせていた私は……死を受け入れていたのに。
だから最後に残る力を振り絞ってお父様とお母様に挨拶したの、おはようって。二人の返ってきた返事に満足してもう心残りも無いって思ってたのに、最後の最後に紡がれた言葉を聞いた瞬間私の覚悟が粉々に砕け散ってしまった。
「……私の業は病に蝕まれ五歳になる前に命を落とすこと。負を一身に背負って……」
ずっとそう思ってたのに……。
セルシア
ずっと、ずっと愛している
セルシアの双方の瞳からぽろぽろと涙がこぼれ落ちるの。
この感情を知っている。だって昔から溜め込んでいた感情が今になって爆発するとは思いもしなかった。私は、私は……。
『ずっと、ずっと愛している』
その言葉に反射するように顔を上げれば赤色の存在と目があったような錯覚に陥る。
『人は、短い時の中で生きたいと足掻く』
私は長い間沢山の人を見てきた。何故足掻くのかを……。でも分からなかった、その答えが……。けど、今少しだけ感じれた。
その言葉は脳内へと直接話しかけられた。だが今度はちゃんと耳に聞こえるように言葉が紡がれる。
『人の声が。だから……』
足掻くといい。
セルシア・クランブル・タチアーナ
優しい声で私の真名を呼ばれれば一瞬だったけど赤色の存在は姿を現したのだった。
赤色の髪色の小さな小さなとても綺麗な羽が生えた少年は私を見ていた。太陽のような暖かい笑顔を向けて。
意識が薄れ間際に聞こえた声を私はしっかりと聞き取れた。
『私の真名は……』
◇
耳元から聞こえる声を私はしっかり覚えていた。リード……私の大切な弟。ああ泣かないで、早く涙を止めてあげないと。
「……りー……ど」
先程まで力なく重かった腕はゆっくりと俯いて側にいるリードの柔らかな金色の髪のへと触れた。
びくりと震え顔を上げて見えたのは私の大好きな青空。否、青空を思わせる瞳は涙に濡れていた。
私は今、己に流れ込む生命をしっかりと感じた。ああ、私は生きているんだ。強く波打つ心臓がその証拠だろう。だからこそ私は感謝するのだ。
「おはよう」
最後の言葉だと紡んだそれが、大切な愛しい家族にまた伝えれる事を。
グサノス(父)とセルシア(娘)の
ずっと、ずっと愛してるは捉え方が違います。
グサノスは、静へ向けて
セルシアは、動へと
分かりにくかったらすみません。




