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第三話

前回までのあらすじ

ティラスイール大陸北方のスメリア国にあるブルグ村に住む世界的に有名な魔術師夫婦の一人娘、ルーナとナルは世界を破滅へと導く存在を倒す為の旅に出た。

その道中で真っ暗な森を強行突破する作戦に出たが、アンデッド達に襲撃され、あわや全滅の危機に頻する。だがスメリア国際特殊諜報機関V.S.S.E.の隊員、アラン・ダナウェイとジョルジョ・ブルーノの二人に救われる。そして、アランとジョルジョの二人と森を抜けた地点にある小さな街の宿屋で一泊したのであった。


第三話


『まったく・・・アンタが真っ暗になりつつある不気味な森を強行突破しようって言うから突破しようとしたらアンデッド達に強襲を受けたのよ?!』

昨日の夜、厳密に言えば強襲を受けたのは今日の深夜だ、ブルグ村から遠く離れた密林を抜けようとナルが言い出したから、抜けたがもし途中でアランとジョルジョが来なければ今頃はゾンビの仲間入りを果たしていたかもしれない。

そして当の二人はと言うと、あの森に残したアンデッド達の残党を片付けに行ったのだ。『ぅぅ〜・・・悪かったよぅ』

こうなっては、いつも強気で振る舞っているナルもまるで母親に叱られている子同然だ。『まあ、今回だけは許してあげる。ただし、今日のお昼ご飯はなしね』

このキツい一言にナルはしょんぼりした顔をするとベッドにコロンと転がった。

どうやらナルの抵抗はこの程度しか出来ないようだ。

まあ、それはそれで可愛いが。


―アランとジョルジョは・・・

『ジョルジョ、こっちは片付いたぜ!』

ここはルーナとナルが夜中に強行突破をかけアンデッド達に強襲を受けた森。

宿屋の部屋でルーナとナルが同行したいとか言い出したが危険だと諭し二人で殲滅作戦に乗り出したと言う訳だ。

『OK.こっちも片付いたぞ』

ジョルジョがアランに言い返す。

『んじゃ帰るか!ルーナ達が待ってる!』

アランの指示にジョルジョは、おう、と言い走り出した。

しかし、彼等は気付いていなかった。

この森の本当の恐怖に・・・

その恐怖は後日語られることになる。


―午後4時頃

『アランさんとジョルジョさん、遅いわね』痺れを切らせたルーナが足で床をトントンと鳴らしている。

ちなみにここは3階、当然この階下は2階で客室なのだが、宿泊客はこの音が気にならないのだろうか。

フロントのボーイ曰く『満室』との事だ。

と、それは良いとしよう。

いくら何でも遅すぎやしないか。

もしかしたらゾンビの仲間になったのかもと縁起でもない事が首をもたげてくる。

そんな考えを振り払おうと必死に他の思考を始めようとするがダメだ。

まるでその考えが呪縛の様にも思えて来る。


『・・・ナ、ルーナ!』

気が付くと既に真夜中になっていた。

しかし、相変わらず状況に変化は・・・あった。

アランとジョルジョが戻ってきていたのだ。それどころかスヤスヤと眠っている。

『ナル、いつアランさんとジョルジョさんが戻って来たの?』

考え事をしていたと思ってたらいつの間にか寝てしまっていた様だ。

ナルはルーナに室外に出る様に促した。

そして、その指示を受けたルーナはアランとジョルジョを起こさない様に抜き足指し足で寝室から抜け出した。

何をする為か?

それは彼等のおかしい場所を指摘するためであった。

そして・・・あの森の本当の恐怖が語られる運びになった。


ナルが推測した恐怖はこうだ。

『出かける時の彼等の服装は防弾チョッキの上からV.S.S.E.の刺繍が入った服を着ていて腰回りにはサイドパックがついていた。だが今の彼等にはそれがついていないし、どこにも置いてある形跡がない。と言う事は・・・彼等は偽物、しかも偽物の正体は魔物であり寝たフリをし、自分達が寝静まった頃合いに殺そうとしている』と言い終わった瞬間!!

本当にその通りの事態が発生した!

いつの間にかアランとジョルジョが扉の前に立っていたのだ。

『ホウ・・・まさかこんナにハヤくワレラの擬態にキヅクとは・・・ダガ遅い!』

アランの片言の発言が終わった瞬間に空間に歪みが発生し、一振りの大鎌が現れて彼女の立っている場所を薙ぎ払った。

だが、ルーナは間一髪でそれを避けるとすぐ部屋を飛び出し、宿屋の外に出た。

本当の彼等は森にいるのではないかと踏んだ彼女はナルを連れて森に駆け出した。


―本物のアランとジョルジョは・・・

『くっ・・・魔物に身体を『奪われる』とはな!とんだ失態だぜ。クソが!』

本物のアランとジョルジョは魔物の作った結界に捕われていた。

どうやらこの森の魔物は、入ってきた人間の姿形をそっくりそのまま自分の身体にしてしまう様だ。

簡単に言うと複製である。

更に恐ろしい事に複製が倒されてしまうと、複製元の生命まで尽きてしまうのだ。

『ルーナとナルが危ねえ!早くこっから出て助けに行きた・・・って!おいおいおい!』ジョルジョが不意に叫んだ。

その理由は、どこからか鉈を持ち出したルーナが自分達に迫ってきていたからであった。(どちらかに避けて!)

ルーナの口がそう言っている。

『アラン!左だぁぁ!!』

『おうよ!!』

二人共、左に避けたかと思ったがジョルジョは右に避けていた。

ガッシャァァァン!!

ルーナの渾身の一振りによって結界は脆くも簡単に破壊され、捕われていた二人は脱出に成功した。

『アランさん!ジョルジョさん!大丈夫?』右手に鉈を装備しているルーナが顔面蒼白の彼等に尋ねる。

『あぁ、だが・・・どこら鉈を・・・?』

アランがハアハアと息を切らしながら聞いた。


―宿屋脱出時

『マテ!こむスメ!!われラの餌食にしてくれるわ!』

部屋を飛び出した直後に魔物アランとジョルジョがルーナとナルを追い掛け出した。

『待てと言われて待つヤツがあるかよ!このタコ野郎!!いや、タコに悪いなあ!だからこの・・・えっと・・・死に損ないが!』

可愛い顔をして何とも言えない馬詈雑言を抜け抜けと言いまくるナルと必死に歯を食いしばって走るルーナだったが、武器を持たずに捕まっているであろう本物の彼等を助けにはいけないと言う事で、急遽武器探しに入った彼等。

まずはどこかに身を潜めなければ、と考えたルーナは階段を駆け降り、階段の下にあった箱に隠れてやり過ごした。

そして偽者がどこかに行ったのを確認して、箱から出るとそのまま物置を探して、手元にあった鉈を持ち出したのだった。


『そうか・・・、早く奴らを倒さないと!』一部始終を聞いていたアランとジョルジョ。『ええ、倒して王都に行かないと乗船パスが貰えないわ』

この国は王の発行する乗船パスがなければ、船にのれないと言う事はないのだが、いかんせん料金が高いのだ。

『んじゃあ、今からが本当の意味での冒険の始まりって訳で行こうぜ!』

そう言うと3人と1匹は森の出口に向かって走り出した。


魔物との決着をつけ、王都・ツェップに行く為に!


第三話・・・終了

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