3 魅夢
「敵って、誰?」
「パワー8(エイト)・・・・・・別名、パワー∞(無限)です。名のとおり、パワー8は最初、8人しかいなかった実力はあっても弱小チームだったんです。それが最近拡大しているらしくて、ユノやそれ以外の所も一族として生き残るためにはパワー8を倒すしかないと・・・・・・ユノの中でも寝返った奴がいて、寝返った奴でも使えなさそうだとパワー8の奴らは殺していくんです。魅夢様はパワー8に寝返るはずもなく、ユノのために、あなたのために戦い続けて、あんな結果に・・・・・・。」
悔しそうに目の前の女の子はうつむくけど、なんか他人事の話だ。
あたしに実感なんてない。
壮大すぎるでしょ、夢。
ま、いーや楽しそうだし少しくらい目が覚めなくていいよ。
「じゃー、いきなりですけど、いきますよ!」
回し蹴りがいきなり来て、あたしはなぜか避けれた。
「な・・・・・・!何すんの!?」
でも次にきたパンチでノックアウト。
「いったぁ・・・・・・。」
つーか、殴られたんだからいい加減起きろよ、あたし。
でも、痛いし夢じゃないんだろうなー。
五感ききすぎだし・・・・・・。
それから数ヵ月後、こんなあたしが命を狙われだすとは思いもしなかった。
ユノの仲間を集めて戦う夢・・・・・・じゃない現実に、今一つ現実味がなくて、あたしは敵から逃げる事しか出来なかった。
敵はもちろんパワー8、ユノの動きに目を付けていたらしい。
なんで親がリーダーってだけで、その魅夢とか言う人の顔も知らないのにあたしがリーダーなの?
あたしなんかに勤まるわけないじゃん。
だけど、ユノ一族はあたしが来たことで再び戦力を取り戻し始めてる。
リーダーが来たってだけでみんな集まってくれてる。
だから投げ出しちゃいけないんだと思う。
逃げちゃ、いけないんだと思う。
だけどあたし、トロいままだから戦える分けないよ・・・・・・。
目の前で血を流す人々をただ、見ることしかできなくて、動けない・・・・・・苦しくなる。
「やめろ!離せ!」
でも、やっぱり何もできないあたしは、敵に首をしめられた。
誰かがいろんなことを叫んでいる。
「ユノのリーダーがこんな奴たぁ、ユノも腐ったなぁ!」
朦朧とする意識の中で、あたしはついに意識が飛んだのを感じた。