1 始まり
R-15Gとは性的な描写が含まれているわけではなく、グロテスクなシーンが多いので15以下の方々は読むのを避けたほうがいいというものです。
もちろん15歳以上の方でもグロテスクは無理って方は読まないでくださいね。
あたしはどこにでもいる普通の人間で、少し漫画の中みたいに頭悪くて、ビンボーな家に生まれ育ったけど、信じてたよ。
ただの人間だって・・・・・・。
いや、凡人だって。
運動神経も反射神経もあんまりよくないし、何をやってもうまくいかないけど、人だと思ってる。
でも、あたし・・・・・・人間じゃなくて、カタツムリに生まれたかったなー・・・・・・。
17歳、何やってもダメダメなゆのんちゃんは今日もバイト先で怒られています。
「篠原 ゆのん!何やってんの!もーいー!明日かっから来ないで!」
うう・・・・・・ちょっとごみ箱につまずいて、生ゴミぶちまけちゃって、そこにこけちゃって、お皿割っちゃって、台拭き汚しちゃって、お皿を片付けようとして手を切っちゃって、エプロン汚しちゃっただけじゃん・・・・・・。
「・・・・・・今までありがとうございました・・・・・・。」
泣きたいような、怒りたいような微妙な気分。
何やってもダメで、むしろ頑張ろうとするとさらに失敗する。
ここでやめさせられたバイトは何件目やら・・・・・・。
今日もマンガを立ち読みして帰る。
普通さぁ?人って一個は長所持ってるもんだよね?
でも、なんであたしにはないんだろ・・・・・・。
あ・・・・・・かっこいいなコレ。
こんなふうにあたしも俊敏にキックとか、パンチとか、防御!とかできればいいんだけど・・・・・・ショボショボと歩いていたら車が近づいてくることに気付かなくて、あたしは宙を待っていた。
プァァァァアア!!
音と激痛がほぼ同時だった。
ズバァッ!ドシャッ!!
ああ、あたし・・・・・・もう生きてないな。
もうやだ・・・・・・痛いし、眠いよ。
ところがどっこい・・・・・・自分で使っててなんだけど・・・・・・このフレーズ、古っ・・・・・・。
あたしはどっかの誰かさんに揺り起こされた。
「あなた、篠原ゆのんさんですよね!?」
ちょっとさぁ、何よ?
「そーですけど・・・・・・どなた?」
「ちょっと、死んだフリしないでください!あなた、ユノの一族でしょ!?」
「はぁ?」
何言ってんの?この人。
ちょっとさぁ、死ぬときくらい安らかに逝かせてよね。
この作品は作者が去年……じゃないや、一昨年くらいに書いたものです。
途中で終わってたんですが、なんとなく興味本位でUPしてみました。
読んでくださった読者の皆様、ありがとうございます。