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コールドケース  作者: aqri
真名
69/91

6 彼女の重要性

「話を聞いている限りではルイさんはどちらかというとマジックアイテムのようなものですね。強力すぎますが、例えばあの人のように本人が厄介すぎるわけではない」


 小野寺の相方を想像しながらそんなことを言う。累本人がとんでもない存在として生まれ育つのならもっと良い環境があったはずだ。


「今までの内容見ても田中さんもハルちゃんも内容が結構が幼稚っていうか、そんなに凄くないんだよな。びっくりはするけどあーそんなもんかっていう感じ。でも今挙げた内容はそこそこにとんでもない」

「特殊課の壊滅的ダメージはちょっと置いとくとして。島が一つ消えてしまったのは神を作ろうとしたっていうことでしょうか」

「可能性の一つとしては入れておいていいと思う。それでどう思った、今の考え」

「合ってるかどうかでいうと絶対合ってると思います。ルイさんが取り扱い要注意なとんでもない存在だということもわかりました。でもそのことを部下である田中さんや馬鹿女子高生は知らず、親分さんもルイさんを取りに来ない。失敗ってことですかね」

「そこなんだよな。ルイちゃんの存在は確かにすごい、まぁとにかく強い。でもそれは彼女自身が自分の力でコントロールできているわけじゃない。さっきの話の例えで最強のバリアがあるって言ったけど、まさにそれなんだ。パッシブスキルとでもいうのかな、あくまで受動的だ」


 おそらく彼女の存在を利用すればとんでもない付加価値が生まれる。今はよくわからない存在ではあるが取扱説明書を作ってやればとんでもないレアアイテムだ。課長と大月がそのことに気づいているとしてそれでもなお特殊課のサポート役という役割を与えたのだからそれが最善だということだ。


「思ったことを自由に言って良いのなら俺が言えるのは一つです。馬鹿女子高生と田中さんまではルイさんを関わらせていいかもしれませんが、もしも親分さんがしゃしゃり出てきたら」


 そこでほんの一瞬言葉を区切る。


「ルイさんは消さなければいけないでしょうね」


 殺す、ではない。消すのだ。殺してしまったら生き返らせることができる、あらゆる形で利用されてしまう。保護はしているが監視している状態なのだ。ここの保管品と同じ。厳重に管理をして他の者が手を出せないようにして、何かあったときはすぐに処分する。

 普通の人間の手に渡ったら放っておいても問題ないが普通ではないモノに渡ってしまったら取り返しのつかないことになる。だからそういう事件は調査し時には事実を隠し歪めて証拠品を保管する。それこそが特殊課が存在する意義だ。


「実際そういうことになったらルイさんに勝てる人っているんですか」

「多分お前と、あの人と、課長と大月さんかな。俺は物理的攻撃しかできないから無理、掃除チームたちも無理だ」

「そうですか。頭の片隅には入れておきます」


 話は一旦区切られたがこうなってくるとわからないことがある。彼らの親玉とされている者は明らかに質の高い何かを作り出すことには成功している。もう少しアレンジを加えればそれこそ人工で神を作り出せそうだ。それなのに何故わざわざ自分よりも能力の低い者にそういったことをやらせているのか。

 昔から普通の人間では手に負えない、理解できない事件は多かった。それら全てがこの親玉が仕込んだ事というわけでは無いだろうが明らかに関わっていると思われる事件もある。それなのに手段などを伝えることなく小間使いたちに同じことをやらせている。


「親玉さんは神を作り出すことに成功してるんでしょうか」

「難しいところだな。それに関しては俺も結論が出ない。一つ言えるのは田中さん達のやり方じゃ絶対に神様を作り出せない、粗悪品すぎる。部下が三人、もっといるかもしれないけど主戦力となっているのはこの三人だ」


 いや、その中でもおそらく実験を行っているのは二人だけ。水木樋に関しては謎が多い。その時笛吹のスマホに通知が出た。


「葛からの連絡です、佐藤さんと会う約束を取り付けたそうですよ。日時は佐藤さんの都合に合わせてもらうそうなので詳細はまた送るそうです」

「親玉さんは佐藤さんに任せるって言ってるし、方針すり合わせしとくにはちょうどいいかもな」


 日時の連絡が来るのを待つことにして二人は仕事に取り掛かる。おかしなちょっかいがかかってこないうちに片付けてしまわないといけないものはたくさんある。最近余計なことに時間を取られすぎているので少し仕事が溜まっていた。

 上の階から絶叫が響いた。二人とも手を止めることなく何事もなかったかのように黙々と仕事を続ける。

 どうせハルに操られたあの死人が掃除チームに消されたのだろう。この悲鳴さえ周りには聞こえていない。パチパチとキーボードを打っていた笛吹だったが手を止めた。

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