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コールドケース  作者: aqri
ローラー
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6 事件当日について 記録

「このクラスの雰囲気が異様である事がわかったのが10月1日。そのわずか二日後だ、事件が起きたのは。当日埜口万由は追加の撮影があって学校にはいなかった、瀬那芳吾もな。二人で同じシーンの撮影となった。監督が埜口のピアノを気に入ったのと、ピアノのシーンで瀬那が即興で見せた演技が評価されて急きょ台本が書き換えられたそうだ。このシーンは後に映画評論家たちから絶賛の嵐で、口コミでも高評価だった」

「覚えてます、天才子役と天才ピアノ少女の織りなす衝撃の演技を見逃すな、ってべた褒めでした。資料にもありますね、撮影していたというだけあって分刻みでどこで何してたかって書いてありますし」

「埜口の音声資料はここまで。この後質問はあるが、当日いないからわからないという回答くらいしかないしあとは黙秘だ」


「聞き取りに不満があったっていうのは具体的にどういう事です?」

「どうも担当者が埜口はいじめを受けてたと疑ったみたいだな。だから、何か都合の悪い事を隠してるんじゃないかと取られるような質問を繰り返したそうだ。埜口にしてみれば正直に話したのに嘘つき扱いされたと思ったんだろう、ローラーの件でクラスからそういう扱いを少し受けていたこともあって埜口はもう何も語らなくなった」

「頭の中でシナリオを作って誘導して聞き取りとか一番やっちゃダメなパターンじゃないですか。瀬那芳吾の聞き取りは」

「本人が音声録音を拒否したから資料だけだ。内容は今まで埜口が語ったこととほぼ一致してる、彼なりの見解も入っているがこれも埜口に話した通り、ローラーなんていないと思うという事だった」




10月3日 午前10時23分 事件発生。

芸能専攻Aクラスから騒ぐ声が聞こえる。

隣のBクラスで聞き取れた声は以下の通り。


「どうしよう」

「やだ、学校に来ちゃってる!」

「食べ物昨日あげてないの!?」

「知らないよ!××ちゃん(聞き取れなかった)の当番でしょ!」

「やだやだやだ!」

「どうしたの皆、落ち着いてください、静かに」 (担任の声)

「いやあ、こっちくるよ!」


この時机や椅子がひっくりかえるような大きな音が聞こえる。

悲鳴、泣く声がしてBクラスの教師が様子を見に行く。



Bクラス教師の証言

※精神的ショックが大きく聞き取り調査は困難、カウンセラーと医師が同席。5分だけ面会許可


・教室に入ると、竜巻でも起きているかのように生徒が空中に舞っていた

・数人窓を突き破って外に放り出された 

 →3名落下を確認、全員即死(教室は4階だった為頭から落下し頭部損傷、首を骨折)

・あちこち血だらけ

・足が飛んだ


Bクラス教師がここで錯乱状態となったので聞き取り中断、以降この教師との面会は不可となる



Bクラス生徒の証言

・ガラスが割れる音がして外を見たら誰かが落ちた

 →落下した三名と思われる

・悲鳴がしていた

・やめて、痛い、助けてという声がした

・何かがぶつかる音、倒れる音がたくさんした。例えるなら、誰かが大暴れしてるような感じ

・誰かが逃げろと叫んで、教室内が少しパニックになった。みんな一斉に外へ逃げた

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