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コールドケース  作者: aqri
水鏡
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4 犯人ってどうせコイツでしょ

「結局この店って何なんですか」

「それが現時点で特殊課でも把握してないんだな。店は間違いなくあった、でも消えちまった。調査チームが調べたけどまぁ跡形もなかった」

「へえ、調査チームでも。でも何か手がかりを見つけたんですよね。それが神ですか」

「正直この件は殺人事件で犯人もわかってるんだけど。ここに神様が絡んできたもんだからちょっとややこしいことになったんだよ」

「パチモノ神様でなく」

「割とガチの神様の方」




 結局島谷優香の事件は表向きには解決していない。警察は鏡専門店の店員を重要参考人として調査を進めているがどれだけ調べてもやはりそんな店はどこにも存在しない。

 納得ができない湖出は島谷の両親と協力しながら情報収集などの活動を続けていた。懸賞金もお金を出した。どんな小さな事でもいい、何か手がかりが欲しい。自分があの店を紹介しなかったら、そんなことを考えてしまう。そもそもその鏡が、そのショップの店員が何か悪いことをしたというわけではないのでやり切れない思いが胸の内に溜まっていく。

 そんな湖出をサポートしたのは三池だった。二人は直接の面識は今までなかったが通夜で初めて顔を合わせた。お互いの事は島谷から聞いて知っていた。三池は協力するよと言って連絡先を交換しやりとりを続けている。


「焦る気持ちはわかるけど、少し休みなよ。学校行って課題こなしてバイトもして優香の件もかかりっきり。体壊しちゃうよ」


 最近三池はこういった心配する内容の連絡をよくくれる。ありがたいがとてもそんな気にはなれなかった。立ち止まってしまうと暗い気持ちになってしまう。


「鏡専門店紹介したのは確かに君かもしれないけどそれが優香を死なせることになったわけじゃないと思うから。そこまで思いつめなくていいと思うよ」

「ありがとう。それは自分でもわかってるから大丈夫。何かしないと気がすまないだけ」

「気が乗らないかもしれないけど、ちょっと気分転換に出かけたら? 何もアトラクションがあるところじゃなくてもいいから。公園とか、行ったことがない店とか」

「考えとく。じゃあね」


 全くそんな気にならないので通話を切ってベッドに仰向けになる。心配してくれてるのはありがたいのだが、正直なところ大きなお世話だった。自分の好きにさせて欲しい。最近こういう内容が増えてきたので少し気分もイライラしている。その手の話ばかりするんだったら連絡をしないでほしいと喉まで出かかった。

 お友達でもない、仲がいいわけでもない。それなのにまるで長年の友人のようなことを言ってくる三池に最近はあまり良い感情を抱かなくなっていた。


「買い物行こうかな」


 ポツリとつぶやきスマホと財布を持ってコンビニに向かった。以前は料理が好きで自炊していたが最近は面倒になってしまってやっていない。

 夜の九時過ぎ、周囲に人通りは無い。駅から少し離れたアパートで住宅が立ち並んでいるため帰宅する会社員や部活帰りの学生などがいないこの時間は静かだ。うつむき加減でトボトボ歩いていると、街灯の下に誰か立っている。よく見ればそれは三池だった。




「どうせ犯人がその男ってパターンでしょ」

「その通り。人間関係整理するとな、まず島谷は三池が好きだった。んで、仲の良い友達ってことで写真を見せてもらって三池は湖出を一方的に知っていて一方的な好意を抱いていた。島谷が自分のことを好きだっていうのも気づいてたっぽいな。湖出を紹介しろだの連絡先を教えろっていう申し出を断り続けて殺されたみたいだ」

「ちゃんと資料に書いてありましたね、三池のアパートの浴槽で溺死させられ溜池に捨てられた。最初から殺すのが目的で溜池の水をわざわざ浴槽に入れておいたんですか。重労働ご苦労様って感じです」

「邪魔者が消えて湖出に接近するも全然相手にされない。自分に見向きもしない。このあたりをこじらせちゃったみたいで。気に入らないからって人殺すようなアホだし、まあ行動にでるわな」

「でも資料を見る限りではこの湖出って人は無事なんですよね」

「助けてくれたスーパーヒーローがいたから」


 完全に異常者の目つきをしてわけのわからないことを叫びながら刃物を取り出す姿に湖出は逃げ出した。スマホで助けを呼ぶこともできたがこの時は完全に混乱していてそんなことを思いつかず、とにかく走って逃げなければと距離を取ろうとしていた。しかし男の方が体力もあるし足も速い、あっという間に捕まってしまった。

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