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コールドケース  作者: aqri
特殊課ミーティング
37/91

7 特殊課のメンバー

 要するに他人の迷惑を考えず自分たちは自分たちなりのやり方をやっていいということになる。ここまで話してみるとおそらくハル、水木、田中は連携していない。図を見てみるとそれぞれが抱えている使い捨ての人間たちはかなりバラバラだ。水木に至っては一人も駒がいない、それが不気味だ。


「こうやって見るとコールドケースとして扱われる事件に関してはハルは無関係ですね」


 大月からもらっていた資料を見ると、ハルが関わった案件は事件としては立件されていない。こちらもどうやら佐藤が関わっているらしく、解決らしい解決はしていないがもう既に終わったこととして処理されているようだ。占いサイトにで関わった女子高生が死んでいたり、妙なサイトの運営や悪魔の召喚などただ事ではないことが起きているが、事件として扱うほどではない。それにハル自身が後処理らしいこともしていないので全てがあまりにも中途半端という印象だった。


「もともと何かの才能はあったにしても、親玉さんから知恵か技術を何かもらったんでしょうね。チート状態で嬉しくて仕方がないといった感じですか、チョロそうですねこの子」

「多分実力自体はそんなに大したことないが、補助アイテムが強力なんだろうな。カードゲームでいうともう少しで倒せるのに何枚も何枚もアイテムカードを引いてくるみたいな」

「どうでも良さそうだからやっぱりほっときましょう」


 どうやら笛吹の興味からは完全に外れてしまったらしい。おそらくもう数日経ったら名前を忘れている気がする。なんでしたっけお馬鹿さんでしたっけ、と言ってきそうだ。


「田中さんに関しては調査が後回しにされたとはいっても尻尾がまだつかめていないあたり、かくれんぼは上手いみたいだ。小野寺さんにかかったら絶対見つかると思うけど」

「そういえば小野寺さん、物見つけるのうまいですよね」

「ようやくそこに興味わいたか。普通は就任初日に気になるもんだけど。ざっくりいうとあの人無茶苦茶目がいいからな」

「あ、了解です」


 相変わらず詳細を聞いてこない。今の説明で十を理解したという事だ。目が良い、物を見つけるのがうまい。これだけの情報ならもう全てがわかる。


 普通の人には見えない、絶対に見つからないものでも小野寺は「見る」ことができるということだ。目隠しをしても死角にあるものも、何か奇妙なことをして絶対に見えないように仕掛けをしたとしても小野寺には必ず見える。ローラーを見つけたのも小野寺で、ローラーが見えるようになる条件を満たしていないのに見つけたのだからそういうことだろう。

 何かの確約、制約がないと認知することができないというものさえ小野寺はスキップして見ることができる。そして限定的にそれを他者に見せることもできる。


「ちなみに俺は妖精の目って呼んでる」

「わりとまともなネーミングですね」

「昔読んだ海外の都市伝説か何かでそんなもんがあった気がするんだよな。海外では何かあると妖精の仕業って考えるから。日本だと慣用句に虫がよく用いられるだろ、虫の知らせとか腹の虫がなるとか。それと似たような感じだ。日本なら千里眼って言うけど、それとはちょっと違うなって思ったから」

「小野寺さん妖精ってキャラじゃないですけど、まあいいか。あの人の相方に比べたらかわいいもんですから」


 特殊課は必ず二人一組で動く。山吹と笛吹、二人で動いているように小野寺にも相方がいる。ただしこの人物、要注意を通り越して近づかないのがベストという認識である。なぜ小野寺が相方としてやっていけるかと言えば小野寺は引き際を心得ているからだ、適度に干渉するが深追いはしない。

 この人物、非常に癖がある性格のためうまく扱える者は一人もいない。今のところ小野寺が殺される事なくチームを組み続けていられるのも小野寺が近寄り過ぎないが故だ。それでいて放置しない、絶妙な距離感を保つ事ができる。目の特性とはまた別の才能だ。


「お前、あの人の相手できる?」

「断言しますけど絶対無理です。秒で死にます」

「確かに。多分あの人、笛吹のこと嫌いっぽいな。俺も無理だわ」

「山吹さんは仲良くやっていけそうな気がしますけど」

「俺はあの人のこと嫌いじゃないんだけど、多分向こうが俺のこと嫌いだと思うんだよね。同族嫌悪みたいな感じで。あの人も俺も基本的に自分がよければそれでいいってスタイルだから。磁石の同じ極同士みたいな感じ」

「ああ、それっぽいです」

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