表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コールドケース  作者: aqri
特殊課ミーティング
33/91

3 「敵」の存在

「どこかの誰かはこの保管庫に欲しいものがあって侵入を試みていた。ここのセキュリティを一度でも見たことがある奴なら、おかしな付加価値を付ければ侵入できるのはもう立証されてしまっている。片倉ひまりが回収されたことを考えると、保管したら取りに来るだろう」

「ちゃんと関係者以外立ち入り禁止って書いてあるんですけど。あ、そういやパイセンは関係者でした」

「今後私も含めて全員通行証として利用するために変なのが絡んでくるかもって事だよ。お前ら保管庫に侵入する道具になってくれるなよ、面倒くさい。そんなことになったら冷凍した後粉々にするからな」

「こっわ。気をつけまーす」

「俺も」

「今後の方針だが、まずセキュリティは内容を変えてる最中だ。こっちは鍵屋に任せているから問題ない。あとこの間気になってのんちゃんに会いに行った」


 のんちゃんの話を笛吹にしてあるのはすでに大月に説明している。二人の推察通りのんちゃんこと有栖川がここを通るための道具として利用されないか様子を確認しに行ったそうだ。


「変なのが接触してきたようだが有栖川は心配いらない。あっちは火男がいる。それに有栖川も中身がないペラペラのやつじゃないからな。あいつはあいつなりに自分のプライドを持って生きている」

「常に他人に利用され続ける存在でありながら、自分を利用する相手は選んでいるということですか。結構すごい人ですね」


 素直に感心したように言う笛吹に大月はうなずいた。


「有栖川の特徴はそこだ。搾取され続ける人間と違う、あいつはあくまでビジネスとしてあの仕事を続けているんだ。生きがいかもしれないが、生きる理由そのものではない」


 ひとまずそちらは問題なさそうだ。問題はこちらだ。


「ぶっちゃけウチの部署はどこまでつかんでるんです? まさか何も見当ついてないわけでもないんでしょ」

「まあな」


 言いながら大月はホワイトボードに図を描き始めた。ピラミッド型になるように三段ごとに何かを描く。てっぺんには親玉、中段には三人、その下は三人からさらに枝分かれしている。


「まず真ん中」

「最初に真ん中っスか」

「ここが具体的なクソどもだ」


 言うと中段のど真ん中に「クソ」と書き足した。


「これ後で写真撮って議事録になりますけど?」

「構わん」

「そこは構ってください」


 笛吹との会話に山吹は小さく笑いながら、クソと書かれた二段目を見る。二段目には三人の人物が書かれていた。霽、水木樋、アホ。


「一番左のまったく読めない漢字の人は一旦置いときますけど、水木樋だけフルネームわかってるんですね」

「戸籍から何から全部わかってる。まず注意しなきゃいけないのはこいつだ、絶対に関わるな。私でもどうにもできない可能性がある」

「マジ?」


 珍しく目を丸くする山吹。心臓に毛が生えているどころか木の根でも生えているんじゃないかと思う位驚いたり動揺することがない山吹が驚く位なので、大月が対応できないというのは相当なことだろうというのはわかった。笛吹自身は大月とはほとんど関わったことがないので、彼女がどれだけ優秀なのかも実はわかっていない。


「一応聞きますけど、人間ですか水木樋というのは」


 手を挙げて質問する笛吹に大月は「一応な」という微妙な返事をした。


「生物学上は間違いなく人間だ。ただ生まれ持った血筋というか能力というのか、一筋縄ではいかない。これは単に私がこいつとの相性が悪すぎるというだけで、お前たちはわからない。だが課長から釘を刺されてる、関わるなと」


 とりあえず見かけたら全力で逃げよう、二人はそう認識した。


「左のはハルと読む。ハルはほっとけ、ただの馬鹿だ」

「さっきとだいぶ雰囲気違いますけど、やばいっていうわけではないんですね?」

「こっちも一応戸籍も住居も学校も全部わかってる」


 言いながら脇に書いた名前は小金井霽。


「小金井霽、女子高生だ。ただこいつは自分がすごいと気が大きくなっているだけの文字通りの子供だ。確かに才能はあるんだろうが、使いこなせていない。これから説明するこの上に書かれている親玉にいいように使われているだけだな。喧嘩売られたら買っても良いが、こっちの親玉を引っ張り出したくないからこいつも無視だ」


 この二人についてはどうやら調査が終わっているらしい。おそらく調査したのは小野寺たちだろう。


「それで名前さえ書かれてない可哀想な人は何なんですか」


 最後の一人を山吹が聞くと大月はアホと書かれているそこにぐりぐりと二重丸を描いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ