IQ1のコネコちゃん、1歳になる
武 頼庵(藤谷 K介)さん主催の『24夏のエッセイ祭り』参加作品です♡
IQ1のコネコちゃん、1歳になる
うちには、IQ1億のネコちゃんと、IQ1のコネコちゃんがいる。
このたび、うちのIQ1のコネコちゃんが、めでたく1歳のお誕生日を迎えた。
体も大きくなって、8歳のネコちゃんとほぼ同じ体重になった。
しかし、IQは1のままである。
私がパピコを食べていると、ちゅ〜るだと勘違いして、懸命にペロペロしだす。
おしりの方をペロペロする。
コネコちゃん、それ一生舐められないやつ…(笑)
私がクーリッシュを食べていると、またちゅ〜るだと勘違いして、おしりの方をペロペロしだす。
私はコネコちゃんの必死な顔と向かい合う感じでクーリッシュを食べる。
最終的には、ガリガリ君の棒までも舐めるようになった。
いや、絶対的に無理ある…!(笑)
それでも緊迫した形相で、ずーっと棒をペロペロしている。
IQ1である。
ネコちゃんのトイレが気になるらしく、見学に行く。
結果、めちゃくちゃ怒られる。
シャーシャー言われ、高速猫パンチでぶっ叩かれる。
それでも、性懲りも無く、また見学に行く。
IQ1なので、学習しない。
夫のことが大好きだ。
夫からごはんをもらう時は、二本足で立ち、
「プルャーッ!」
と叫ぶ。
私の時は何も言わない。
おもちゃ箱の中をのぞき、ガサゴソやって、おもちゃを取ろうとする。
そして、自分がおもちゃ箱の中に落ちる。
何が起きたら理解できないので混乱し、
「プルャーッ!」
と叫ぶ。
これを何度となく繰り返す。
IQ1の子は、本当に学習しない。
IQ1のコネコちゃん、座った姿勢でいることがほとんどない。
ふと見ると、だら〜んと寝そべっている。
目が合うと、
「プルャ。」
と言う。
通り道を完全に塞いだり、忙しく動くキッチンでも突然寝たりする。
仕方なくまたごうとすると、
「プ〜ルャ〜ッ!!」
と被害者ぶった声を出す。
1歳になって、今までと変わったことと言えば、手で顔をコシコシして洗うようになったことだ。
しかし、何も全く洗えていない。
手が短いので、全然届いてない。
それでも、本人は満足そうだ。
IQ1の子の自己肯定感は、高い。
運動神経が良くなってきて、ジャンプして空中で一回転できるようになった。
でも、着地ができない。
「ドタァッ!」
と落ちていく。
まだまだ、高いところには登れない。
冷蔵庫の上にいるネコちゃんに向けて、
「プルャ〜!」
と愛を叫んでいる。
ネコちゃんは、
「解せぬ。」
という顔でコネコちゃんを見下ろしている。
ネコちゃんは、隙あらば、コネコちゃんのごはんを盗ろうとする。
自分のごはんをちょっぱやで食べて、コネコちゃんのごはんを奪おうとする。
コネコちゃんは、ネコちゃんの盗っ人行為を阻止しようと、両手を振りかざす。
しかし、弱々しいグーパンチなので、全く効果がない。
最終的には、
「ピェェェェッ!」
と泣いて、私に言いつけにくる。
泣き方が、
「プルャー!」
か、
「ピェェェェッ!」
である。
このままおばあちゃん猫になったら、かなり奇っ怪な鳴き声の老猫になるのではないか。
IQ1のコネコちゃん、1歳おめでとう。
今後の成長が楽しみだ。