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真剣勝負の中で

「【三之太刀】」


 先に仕掛けたのは卜伝。気づいた時にはもういた場所から消えていた、閃光のような速度で切り込んでくる。仮面の能力をフルで使っても目視できないほどの速さだ。


 ガキンッッッ


 見えなくなった瞬間から身の危険を感じ、防御姿勢をとったおかげで、なんとか技を受けることに成功し、ギリリとつばぜり合いに発展する。


「いい目を持っているな...ならもう少し速度を上げてみようか!」


「なっ――――――――」


 体をくねり、重心を移動され前方向に転びそうになる。俺の転びそうな体を両断しようと卜伝の刀は上を向く。


ジャキン


 倒れた瞬間に卜伝から離れるように手ではね、すんでのところで刀を避ける。

 次元流本技【数之太刀】決まった型を打つごとに威力が増していく技。最後の技をを見て生きて帰った者はいないという。

 速い、この速さで攻撃されたら毎回捌ききれる自信はない、今回も速攻で決めた方が良さそうだ。それにしてもこの男やはりさっき戦った奴らとは格が違う、何が化け物だ、齢80でこれほどのパワーをもつこいつの方がよっぽど化け物じゃないか、この狸ジジイ...!


「よく反応したものだ、ここまでの道のりも運よく来れたわけではなさそうだな」


 卜伝は自分の攻撃を防御され、感嘆の声をだす。

 早く起き上がらなければいけないのにさっきのダメージのせいか足が痺れて上手く立ちあがれない。


「ではこれはどうかな」


 卜伝は、次の構えを整える。


「【二之太刀】」


 卜伝の言葉とともに斬撃が飛んでくる。

 足に精一杯の力を込め、屈んで膝をついている状態から一気に上に飛び、斬撃を避ける。指を壁に突き刺し壁に張り付く。


「反応速度もさることながら、動きも俊敏、これほどの実力者とやるのは久しいな」


 卜伝は片手で髭を触りつつ。俺の動きを褒め称える。

 俺は赤井戦でやったように壁を蹴り上げ、卜伝の頭上を高速で飛び回り、隙を狙う。


「こんどはハヤブサの真似か?もはや人の戦い方ではない、まさに獣だ」


 卜伝は目で俺の動きを追ってくる。


「獣は獣らしく切り刻んで喰ってやろう」


 卜伝は俺の考えを読み、俺が攻撃する瞬間に反撃し俺の体を両断する気だろう。

 だったら卜伝が反撃するより速い速度で、反応できない速度で殺してやる。


 ここだ!


 一気にスピードを上げ卜伝の背中を完全にとった。


「無様に滑稽に死ね!」


 背中に向け、刀を突きの構えで突貫する。卜伝はまだ逆方向を向いている。


「やはりな」


 卜伝は待っていたかのように突貫した瞬間にぐるりと後ろをむき、一瞬で迎撃の構えをとる。

 このジジイ、この速度についてこれんのかよ...!あの構え刀の向きからして首を狙ってやがる、最初から計算のうちだったんだ...わざと誘い込まれたのか...ヤバイ、死ぬ、ここで斬られて死ぬ!...クソ!




 ガギンッッッッ!






「はっ、はっ」


走ったあとの犬のような息切れをする、殺されていたかもしれないという焦りと緊張で鼓動がバクバクとなっているのがわかる。

 なんで俺は死んでないんだ。

 首を触り、本当に体と頭がつながっているのを確認する。

 


 


「これが鬼の角か、きっといい値がするのだろうな」



 刀は俺の首ではなく、角を折っていた。

 卜伝は嬉々として価値を見極めるように切った角を凝視している。

 そうかこいつ、わざと外したんだ...この戦いを楽しむために、まだ遊ぶために。

 なんて強さだ、だめだ勝てない...俺の最高速度もやすやすと弾かれ、弄ばれた。これが【剣聖】、見積もりが甘かった、もっと入念な下調べをするべきだった。奥の手の『アレ』はまだ来ていない...どうすればこいつを追い詰められる...?

 本気の攻撃を弾かれただけではなく、あえて弄ばれたことが俺の自尊心を強く痛めつけ、圧倒的な力の差に打ちひしがれ絶望する。


「なんだ、これで終わりか?案外簡単に折れたのは角だけではなく心もか?所詮その鎧のおかげで仮の強さを得ているに過ぎなかったか」


 卜伝は角を自分のポケットに入れ、俺を蔑みの目で見る。

 死の恐怖を味あわされたからか、卜伝がとてつもなくでかい存在に見え、腰がすくむ。冷汗がだらだらとたれこれからの死を恐れる。

 俺のこの仮面の仕組みもほぼ看破している、速さ、読み、シック、すべてが今の俺のはるか上だ、こんなやつどうやって殺せっていうんだよ...

 俺の心があきらめの音を上げようとしたその時だった。

 俺の見ている世界が暗転し、静止している時間を作り出される。 

 ここは...どこだ


「あきらめるんだ、君らしくないね」


 気が付くと後ろには俺が探していた最愛の人がいた。


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