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なんて馬鹿なんだ俺は

 《何かあったんです?》


 いや先生に呼ばれただけよ、気にすんな。


 《・・・後で何があったか教えてください》


 先生につれられ相談室に入り、椅子に座った。

 先生はこちらのことをじっと見つめてきた。沈黙が続き、緊張が走る。

 しかしすぐに先生が沈黙を破った。


「久しぶりだな、伊吹」


 なんで、俺の正体を……

 俺は直ぐに警戒態勢に入り、ナックルダスターを静かにはめた。


「やっぱりそうだ、私だよ!幼馴染の!」


赤井(あかい)?!」


 赤井は俺の初期暗部の同期で幼馴染でもあり子供からの付き合いで少ない友といえる存在だった、ガキの頃は大きくなったら結婚しようねとか言ってたが今思い出すとなかなか恥ずかしい。追放されてから連絡は一切取っていなかったため、全く気が付かなかった、数年ぶりの再会だ。


「結婚して名前を変えたんだ、お前でもわからないなんてな」


 赤井の小指には結婚指輪がついている。


「なんで俺が伊吹って分かったんだ」


「私はよく生徒を見てるならな、最近真田が人が変わったように感じてな……懐かしいよな、昔はここでよくあそんだよな、私はあれから暗部をやめて先生になったんだ。もう争いはこりごりだ」


 俺の心には焦燥感が漂っていた。

 赤井は目つきを変え、世間話をやめる。


「なんで帰ってきたんだ?これがもし上層部にバレたら大変だぞ」


「まあな、でも悪いことしに来たわけじゃないんだ、ただ見に来ただけなんだ…久しぶりに…」


「真田本人はどうしたんだ?」


「今本人に頼み込んで学園生活をかわってもらってるんだ」


 必死に誤魔かし、嘘をつく。こいつに真実を伝える訳には行かない。もし知ってしまえば…大変なことになる。


「・・・幼馴染だから言う、今すぐ帰って、七海の命を無駄にしないで」


 きつい口調で言われる。赤井は桜と親友だった、一回大喧嘩というか赤井が一方的に桜を攻撃していたが仲直りしたらしい、そのあとの赤井はよく彼女の後ろについていてレズなんじゃないかってくらいにいちゃついていた。そんな彼女がいなくなった時も悲しんだことは容易に想像できる、その原因を作った俺のことをうらんでいるだろうか、だが帰れと言われても無理だ、もう後戻りはできない。もう何人も巻き込んでしまっている。


「ごめん、まだ帰れない…やることがあるんだ」


「そう、あんたは昔からそうだったね、人の助言を無視していつも自分勝手で」


 彼女は俺をにらみつける。

 その通りだ、俺は自分よがりのくず野郎だ。

 でもだからこそ七海だけは助けたいんだ。


「あの時もなんで七海を殺したの?あんたの強さなら守れたでしょ!」


 赤井は立ち上がりすごい剣幕で俺を怒鳴りつける。

 そうか、赤井には七海は死んでいることになって伝わっているのか。

 だから、助けて見せる、七海は・・・

 俺は彼女に怒鳴りつけられても何も返せず口をつぐみ、下にうつむくことしかできなかった。


「…もういい、今日は少し疲れた、またあとで深夜学校前の路地裏に来て」


 ああ、それで少しでも俺の罪が許されるなら。



 ~~~


「殺すべきです。お気持ちはわかりますが、あの人を今すぐにでも殺さないとあなたが【赤の稲妻】が帰ってきているのがばれて今までの全ての計画がパーになるかもしれません!」


 話を聞いた綾瀬は怒っている。


「分かってるよ!でもあいつは…友達なんだ…」


「覚悟は決めたはずです、どんなことでもするって言ったじゃないですか…」


「言わない可能性に賭けちゃダメなのか…」


「そんなに手を汚したくないなら私が殺します!」


 そこにいつもの彼女の笑みはなかった。


「…分かった、今日深夜会うんだ…それまで待って見ていてくれないか、仲間になってくれるかもしれないだろ…」


「はあ…もう勝手にしてください…」


 綾瀬は俺に呆れ大きなため息をついて行ってしまった。当然だ、これは俺のわがままだ。友人の赤井は殺したくない。

 何としてでも説得しなければ。もしできなかったそのときのことはあまり考えたくない。



 ~~深夜 路地裏 ~~


 静かで街灯と月の光がうっすらと入ってきていて、薄暗くなっているそんな路地裏。俺は、ゆっくり進んだ。分かっていたはずだった俺に最初からの味方なんて存在しないことをだけど同時に期待していたんだ、まだ俺の気持ちを理解してくれている仲間がいるかもって。思い出したよ、期待するほど絶望することを。なんて馬鹿なんだ俺は、俺はこの時真の意味で友達なんて居ないことを理解した。


 歩いていくと急に背後に結界のような燃え盛る炎の壁が立ち上った。改めて前を向くとそこには赤井と元暗部の後輩、山室(やまむろ)が立っていた。


「久しぶりですね、先輩、悪いっすがここで死んでいただきます」




 俺は震える心を落ち着け、静かに仮面をつけた。









時間が無くなってきたので、これからは3日に一回くらいになりますがご容赦ください。

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