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女神が動き止めた。
「い……今、何と……?」
おおー喋ったー
結構可愛い声だー
「何にでも変身できる能力を、と言いました。」
「ち、『ちーと』とやらではないか…!そんなもの……!」
あれ……?もしかして無いの……?
「いや……あるにはあるが………渡したくない………」
何だそれ。人生つまらなそうだったから出てきてくれたんじゃなかったんか。
「いや……その………それはそうなのだが………」
「コラァッ!!この……のじゃロリ乳駄女神!!」
おおう……要素てんこ盛り。たくさんあってワケわかんなくなるわ
「な、何故ココに……!ココは母サマも知らぬというのに……!」
うわー棒読みー
「うるさいのじゃ。そこのヒト。思考がだだ漏れであることを忘れたのか。」
「のじゃロリ!一年に一回必ずつまらない人生を生きた人間をあっちに渡すという約束を忘れたの……?!おばあさまがあの方々と決めたのに……!このダメロリはぁ……。」
さりげなく私まで貶されている。
「す……すまなかったのじゃ………」
えっと……それは良いからさっきのお願いは…?
「あーゴメンネそこの…………ヒト?」
いや、人間ですよ
「ゴメンネ?えっと……名前……………え゛」
どうしました?
「何で手帳に載ってないの………?死んだ人間は必ず載るんだけど………?」
「な゛っそんなことが…………?!お主ら!!至急この者の名前を探せ!!見つからなかったら閲覧禁止も持ってくるのじゃ!!」
あらー可愛いー天使ちゃんだー
「お主!!ポケッとしてないで名前を言え!!」
えー………名前?
んーーーーーー………………………?
思い出せない
ずっと先輩とか課長とかしか言われてなかったし。あ、お主って言われたのは初めてだなぁ。
「ちょっとアナタ!!名前思い出せなかったら怠惰を司ることになりますよ!!」
え。名前思い出せないだけで?
「そうじゃ!!ポケッとしておって名前まで思い出せないのに、ちょうどよく向こうでベルフェが死んだのじゃ!!代替わりまであと5分!!」
「ホントに向こうでベルフェゴールとして過ごすことになるわよ!!変身能力はベルフェの継承スキルだけどね!!ほら急いで!!」
「此方から悪魔を出したら母サマから雷落とされて向こうに堕とされるのじゃ……!」
「マジでヤられる……!ちょっと!!思い出そうとしてる!?」
変身能力はベルフェゴールの継承スキル……!
それがあれば楽できる……!
『フフフフフ………次代を探しに来てみれば面白いのがおるわ………面白そうだね………よし!決めた!君が次代だよ!!』
「女神様方!!此方を……!」
「「なにぃ!!??ベルフェゴールが決まったぁ!!??」」
「まさかお主………!!」
「ちょっと……嘘でしょ………!?」
「あ、あー。すいません。どうやら私がベルフェゴールみたいです。」
「「クッソーーーーー!!!」」
あーあ、女の子が四つん這いになっちゃダメだよ。