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グレイトワンダーワールド!  作者: fuu
序章 はじまり〜ある晴れた日〜
3/4

◆激戦?!◆

す、すみません…!

「さあ、皆さん。映像は楽しんでいただけましたでしょうか。」

「だいぶ時間が経ちましたね♡」


「規則的か不規則的か、どういう理由で動くのかわかりませんが、上空から見ると、面白いほどに、木立が動いているのがわかります。」

「巣の小鳥達は、いつもの事と言った感じで、平然とした顔をしています♡」


「昔は、ドリアードが住んでいた森という言い伝えがあるそうです。」

「ドリアードですか♡それはまた、さぞかし神秘的ですね!」


「ええ、ドリアードと言えば、私のような、美形に目が無いとか…」

「…うふふ。もしも遭遇してしまったら、樹の中で一緒に住もうと人間を取り込んでしまうそうです。とても積極的な精霊ですね♡」

「そうですか、喜んで、と言いたいところではありますが、幸か不幸か万が一にも、遭遇してしまった場合には、周辺の木立から一目散に逃げることをお勧め致します。」

「今も、どこかに実在するのでしょうか♡」


「いてもいなくても、ここは、ドリアードの言い伝えが残る森!絶対に森に危害を加えないように、慎重に進まなければなりません!」

「ミツバチさんも、驚かさないようにして欲しいところです♡」


「さあ、誰もが注目する中、一番先に動く森を抜け出すのは、一体、どの選手でしょうか!」

「楽しみですねー♡」


「森の出口、そしてそれに続く湿地帯の目印となるものは、この木彫りのトーテムポール!」

「そろそろ出てくる選手がいるかもしれません。我々こちらの出口上空で待ちましょう♡」


「あ♡人影が見えます!」

「これは、動きがあったようです!!」

「さあ、森を抜ける最初の選手は…♡」

「きたー!!!来ました!!最初に動く森を抜けたのは…ブルーラエドだー!!!そして、それを僅差で追うのは、ディアクロー!!この差なら、首位変動がいつあってもおかしくありません!」

「接戦ですねー♡」


「そして、続くのは、シェヴィル!超高速で稼働する足首で、湿地帯へと入っていく!!小さな湿地帯と呼ばれてはいますが、なかなかの広さに見えます。」

「渡鳥が羽を休め、豊かな土壌には生物達が集うこの湿地帯。選手達は、平均台のような細さの仮設道を、片足ケンケンで進みます♡」

「所々、飛び石のようになっているので、足に負担がかかる事間違いなしです。」

「畦道にはぬかるみもあるので、足を取られない様、要注意です♡」


「さあ、続々と、動く森を選手達が抜けてきます!まずは、フラック!その後に、ジェーン!ジェーンを追うようにアルティン!そして2つ順位を落としたのは、グロウ。とほぼ同時にイヴォンヌ!ミシェルは、まだ見えないが、かなり後方か!ミシェル以外は、小さな湿地帯エリアに入りました!」

「表彰台争いも気になりますが、残る全ての選手がここまでとても良い走りを見せています♡」


「素晴らしいですね。ブルーラエド、ディアクロー、シェヴィル、この3選手は、小さな湿地帯も難なく進んでいきます。」

「しかし♡フラック選手も猛追を見せています!」

「ぬかるみの貴公子という異名を持つ男、フラック!ここが勝負どころか!しかし、ここで残りの力を使ってしまうのではないかという、猛追です。」

「お顔が苦しそうなので、少し心配ですね。」


「さあ、続く選手も小さな湿地帯を進みます!ジェーンの走りは、本当に翼があるように華麗に舞っているように見えます。軽々と飛び石も超えていく…」


「きゃあ!あれはなんでしょう!?」


「ジェーンの軽く着いた足の反動で、何かが顔を見せました…なんと!!飛び石に見えたのは、小岩ほどもありそうなカエルの背中だー!!!」


「ああ!!!アルティン選手が!!」


「おっとー!!これは、どうしたことかー!アルティン、巨大なカエルに驚いたのか、沼に落ちてしまったようです…ん?なんということだ!!アルティン!沼に落ちてしまったにも関わらず、片足を上げてV字バランスを取っています!!しかし、重さで沈んでいく…!!」

「…アルティン選手…!」


「片足のまま、コースは外れてはいないので、失格にはなっていませんが、どうやってここから抜け出すのか!立ち尽くしてしまします!リタイアを宣言するか…」

「皆さん!ご覧ください!!アルティン選手の様子に気づいた、ジェーン選手が、戻ってきます!!」


「おっと、グロウも追いついて、アルティンを引き抜こうとしています!!」

「…がんばれ!アルティン選手!!」


「しかし、ズッポリハマってしまって、なかな抜けません!イヴォンヌも追いつき、何か指示しています。」

「どうやら、ブーツを諦めて、足だけ引き抜くようですね…」


「となると、アルティンはこの後の道のりを、魔導具なしで片足ケンケンというさらに過酷なレースとなってしまいます。」

「あ、いま、アルティン選手、引き抜かれました♡ブーツは、諦めるようですね…」


「しかし、皆さん!アルティンの表情に、諦めの色は見えません!!3人に礼を言い、先に行くよう言っています!!」

「ええ♡3選手とも、再スタートしました!!」

「アルティンは、反対のブーツを装着し直し、こちらも再スタートするようです…!!」


「なんと、お互いライバルにも関わらず、協力して一人の選手を助けるという…」

「このレースだからこそかもしれませんね…」

「そうです、片足ケンケン、このレースだからかもしれません!!峠を越えれば、後はゴールまでまっしぐら!山間部は、ひたすら上り、下って、ゴールの王都を目指します…!!」


「ここで、残念なお知らせです。動く森にいたミシェル選手ですが、後ろ向きだった為か、ミツバチの巣にぶつかってしまい、追われていたところ、さらに至る所にぶつかって、木の枝を折ってしまい、最終的に、自身も尻もちをついてしまった為に、失格となりましたのでご報告いたします♡」


「そうですか…残念です。では、先頭集団へと戻りましょう。」

「そうですね♡」


「トップ3選手は、山間部へと差しかかり、ひたすら上っていきます!上り坂はわずかで、長い下り坂が待っています。」

「しかし、山頂付近♡頂はもうすぐそこなのに、辿り着かない。これはもうほぼ登山。地味なのに、最後の最後でやっぱりこれが待ち受けます…。そう、上り最後の難関、これでもかと足に負担をかけるのは、この階段!!」

「登りきったその先は、地獄か天国か!はたまた、楽園か…いいえ、長い下り坂が待つのみです!!」

「はあ♡やはりとても過酷なレースですね…。」


「我々がそうこう言っているうちに、トップ2選手は、山頂から、長い下り坂へと入っていきます。」

「本当に、見事な走りですね♡」


「しかし、ここにきて、どうやら、マッハの足首シェヴィルの調子が悪いようだ…トラブルか?トップ2選手と差が開いていく…」

「足首を気にしているようですね…山頂の階段も、整備されている階段とは言え、歩調が合わないと登り辛いですからね…負担がかかりすぎたのでしょうか…心配です。」


「あーやはり、フラックも、ここにきてかなりの失速…先ほどの猛追で力を使い切ってしまったか…!」

「選手達、ここまできたら、最後まで、なんとか駆け抜けて欲しいですね…!」


「そんなフラックを横目に、ジェーン、グロウ、イヴォンヌが、駆け抜けていく!」

「フラック選手が3選手に手を振っています♡」


「俺を置いて先に行け、という合図なのか。フラックも、最後まで駆け抜けてほしいが、一体どうなる…!」

「アルティン選手も、履きづらいであろうブーツで、懸命に追いかけます!!」


「最後まで、本当に目が離せないレースとなりました!」

「本当にそうですね♡応援している皆さんも、息を呑んで見守っていることでしょう…!」


「さて、アルティンを見届けたところで、再び先頭集団へ追いつきます!」

「そうですね♡アルティン選手は、別のイロンデルにお任せしましょう。」


「数分の間に、ディアクローが先頭となっています。続いてブルーラエド。後続との距離は、かなりあいています。」

「ディアクロー選手!初出場で、この走り♡本当に見事です!!」


「おっと、坂道もだいぶ下って来た所で、分岐点が見えます。道が二股に分かれています。」

「分岐で、緩やかな下り道が続き、降り切ればアジュールの街はもう目前♡あとは街道をひたすらゴールに向かって進むだけ!」


「その分岐は間も無く。物凄いスピードでケンケンをしながら、並走し、火花を散らす二人!」

「果たしてここが運命の別れ道となるのでしょうか…!」


「それぞれが道を進んで行く!ディアクローは、左の道を選ぶ!ブルーラエドは、右の道を進みます!」

「我々も、二手に分かれて中継を続けます♡」


「さあ、私、オールドメゾンが追うのは、ブルーラエド!

 おや、こちらは、ブルーラエドの行先に、誰かいますね…

 

 どこか具合が悪いのか?ぐったりした老人が、道端に座り込んでいる!

 さあ、どうするのか、ブルーラエド選手!

 知らぬ顔で通り過ぎるのか?!このまま横を突っ切っていくのか?

 

 そんなはずは、ありません!ブルーラエド!

 スピードを落とし、止まって声をかける!

 

 どうやら、柴刈りの帰り道、膝を痛めて歩けなくなってしまったようですね…

 すかさず薪木ごとおじいさんを背中に負ぶったー!!

 さすが、ブルーラエド!!先ほどと変わらぬスピードで進みます!!」



「私、ソフィが追うのは、ディアクロー選手♡

 おっと♡こちらも問題発生でしょうか?!

 ディアクロー選手、行く手に、ぐったりした老婆が座り込んでいます!!

 これはどうしたのでしょう…

 ディアクロー選手も迷う事なく速度を落とし、おばあさんに近づきます!


 どうやら、川で洗った洗濯物が重すぎて腰を痛めてしまい、歩けないようです…


 さあ♡ディアクロー選手も、おばあさんを優しく背負うと

 先ほどと変わらぬスピードで進んでいきます!!」



「「一体これはどうなるのか…!」」


「こ、これは?!」

「このままいくと、合流地点に、一件の家が見えます…♡」

「もしや、、もしや、、もしや!!それはそうでしょう!2人は、ご夫婦だーーー!!」

「両者、まさかの同時にご夫婦の家で合流です♡」


「いやー、こんなこともあるんですねー。」

「何が起こりかわかりませんからね♡」

「おっと!!ここでブルーラエドが、人の家のドアを蹴り破るー!これは、遠慮のかけらもありません!!」

「ドアが吹っ飛びましたね♡」


「これには、おじいさんは、、激おこだー!!ブルーラエドの体を脚でしっかりホールドし、腕を振りまわし始めた!いつのまにか元気になっている!!」

「目を見張る元気の良さですね♡」


「さあて、一方のおばあさんは、寝たふりしなが、ディアクロー選手から離れません!」

「これは、いい匂いがするのでしょうか♡首元の匂いを、クンクンとさりげなく嗅いでいます!!」


「二人とも、離れない!!これは思わぬピンチだー!!!」

「そうしている間に、後続が、その開いた距離を、じわじわと、じわじわと詰めてきております♡」


「果たして、この結末や、いかに…!!」

お待たせしました!…待ってないか…とにかく、読んでくださり、ありがとうございます!

これまた続きます…

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