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殺しアイランド~ザイキン12個集めてみた~  作者: 葵尉
1章 12人のザイキンとゆかいなタマゴ
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6 殺人コンテストのルールだよ

6 殺人コンテストのルールだよ



 ???《12人の犯罪者の皆様には()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!》


 真のデスゲームという殺人コンテストが少しでも明るいゲームだと期待した俺はバカだった。


 奴は嘲笑うように楽しく明るい声でそのめちゃくちゃなルールを説明する。


 ???《でもただ殺すだけじゃ君たちには簡単でしょ?だから殺す方法として僕が〝()()〟を出すからそのお題通りに殺してね》


 おばさん「あの〜。どうして殺すんでしょうか?殺すにしても動機がないと殺せないんですが」


 動機があったら殺せるのかよ!このおばさん何言ってんだ。例え動機があってもそこを理性で抑えるのが人間だろ!


 ???《この島から出るにはまず人を殺して〝()()()〟を手に入れることが第一条件になっているんだよ》


 ノッポな男性「つまり()()()()()()()()()()()()()()()ってことだね」


 ???《まあそうなるけれど、殺すだけじゃ島から出られないんだ》


 ???《さっきの〝挑戦状〟を持っている人は次に〝()()()()()()()〟にチャレンジしてもらうよ》


 気弱そうな男「ゲーム!? それはどんなゲームなの?」


 ???《ただのミニゲームだよ。まあとにかくそれをクリアすれば僕の愛船──ビッグ烏骨鶏(うこっけい)に乗ってこの島から脱出成功だよ!》


 ビッグ烏骨鶏ってあのでっかい黒船の名前か。あれに乗れば外へ出られる──ってこいつは言ったな。なら、なんとかして乗ることが出来れば・・・

 

 赤髪の女「でも私たち犯罪者だからこの島から出られてもどうせ牢屋送りなんでしょ?」


 ???《だ・か・ら! 特別に釈放してあげるよ!》


 その一言でなんとなく聞いていたみんなの顔つきが変わる。彼らから殺意のようなものが一気に放出されて砂浜は冷気に包まれた。


 この11人が本当に犯罪者なんだとその瞬間に俺は感じた。同時にこの雰囲気に危機感を抱いた。このままでは本当に殺人が起きる。なんとしてでもそれだけは避けないといけない。

 

 そんな危機感が俺を動かす。モニターからこちらを見て笑っている小学生を俺は指差した。


 「お前、お前の名前はなんだ」


 ???《僕の名前?特にないけど()()()にしようかな」


 「た、タマゴだと?」 


 なんだそのふざけた名前。拍子抜けしてこけるとこだった。


 ???《僕お寿司で玉子が好きなんだ。回ってないところでも玉子をいっぱい──》


 「おいタマゴ。どうして俺たちはこんなところで殺人をしなきゃいけないんだ」

 

 タマゴ《あれれ? ルール聞いてなかった?この島から出るため──》


 「そうじゃない。どうしてこのデスゲーム──殺人コンテストに参加させられなきゃいけないんだ」


 強く訴えるとタマゴは黙った。顔も伏せてこちらを見ない。だが奴がその顔を再び上げた時、俺はつい後ずさりした。

 

 彼の表情が先ほどまでと真逆──真面目な表情になっていた。そして声までも一気に成長したかのように低い声に変わった。

 

 タマゴ《──それは君たちが犯罪者だからだよ》


 「犯罪者だったら、何をさせても良いってことかよ!」

 

 タマゴ《だって君たちは最低! 最悪! 最凶の犯罪者だよ?」


 タマゴ《何か勘違いしているのかもしれないけどさ、君たちに権利なんてものはないんだよ》


 権利っていうのは人としての権利のことか?


 何が勘違いだ。勘違いしているのはお前の方だ。犯罪者だからって見せ物のように扱って良いはずがない。犯罪者だって罪を償ってその後の人生を生きる権利があるはずだ。


 「タマゴ──いや、表に出てこないお前は何者だ! 大人のくせに隠れやがってお前は何様だ! 何がしたい!」


 きっとあの船の中から見ているんだろ? 俺の声が聞こえているんだろ?なら挑発して表に出させてやる。


 俺はそんなつもりで煽った。だがタマゴは冷静な表情を微動だにしない。


 タマゴ《──黙れよ()()()()が》


 「ざい、きん?」

 

 タマゴ《お前らのような最低な犯罪者のことだよ。罪の菌で罪菌(ザイキン)


 タマゴ《いい?ザイキンは人間じゃないんだ。だから誰かが助けに来るとか無駄な期待はしないようにねっ!》


 眼鏡をかけたおじさん「消えた!?」


 さっきまで船に映されていたタマゴの映像は一瞬で消えた。


 太った男「ドローンがあの船に飛んでいくよ」


 最後の最後、タマゴの声は怒っていた。船に映っていた小学生の顔は鬼のように迫力があった。あいつにも一応感情があるんだ。やつはロボットではない。


 外国人「一体なんだったんだろうな。結局俺たちは本当に殺人をしなければいけないのか?」


 「そんなわけないだろ! 人が人を殺していいはずがない!」


 赤髪の女「でもそう言うノリトは人を殺したんだろ〜?」


 「だから俺はお前たちと違って殺してなんか──」


 挑発してきた赤髪の女に迫り手を伸ばす。だがその伸ばした腕を冷たい輪が背後から縛った。


 痛みに反応して振り返ると赤髪の女が俺の腕を握っている。彼女はいつの間にか俺の背後を取っていたのだ。


 赤髪の女「はい、あんたから自己紹介しなさいよ」


 「お前はさっき〝そんなことは必要ない〟って言っていなかったか?」


 俺の腕を解放した後、赤髪の女は目につくところでその手の平をハンカチで拭いていた。嫌味な奴だ。せめて手を払うくらいにしておけ。


 赤髪の女「しばらくはあんたらと共に過ごすんだから、いい加減お互いの名前くらい知らないと不便っしょ?」


 スーツの女性「ならお互いに罪も公開した方がいいわね」


 おばさん「それはどうしてですか?」


 スーツの女性「罪は自分にとって一番人に知られたくないもの。だからそれを公開することでお互いの信頼度を高めるの」


 清楚そうな彼女「確かにお互いの全てをさらけ出せば打ち解ければ、殺人なんか誰もしないかもしれません」

 

 太った男「だけど、それは言いたくない人もいるだろ」


 スーツの女性「なら細かく言わなくても良いわ。ノリトくんの場合は殺人ね」


 「だから俺は殺人をしては──」


 小さな女の子「別に否定しなくてもいいんじゃない?どうせ島から出るには誰かを殺すんだから」


 まだ殺人でしか島から出られないと思っている人がいる。その人たちは危ない。なんとか団結して仲間意識を芽生えさせる。


 そして一緒に島から出るって思考にならないと!


 「みんな! あいつ──タマゴの言いなりになっちゃダメだ!


 「島から出られる方法は他にあるかもしれない。この島のことだってまだ全部見ていないだろ?」


 眼鏡のおじさん「なるほど! じゃあ手分けして探索をしますか?」


 赤髪の女「ならその前にとっとと自己紹介やっちゃうよ。えーと、そこの童貞男は()()()()タスクで犯した罪は──」


 「俺の名前は()()()(タスク)だ。次はあんたが言えよ赤髪女」

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