77 ファイルに書かれた真実?
77 ファイルに書かれた真実?
資料室から持ってきたみんなの名前が書かれたファイル。
誰が製作したのかは知らないが、これもティモのファイルと同じように細かく書かれている。俺たちはそれらを読むことにした。例え、みんなの本当の姿を知ることになろうとも。
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『ツエヘシ隆』──22歳。
大学を卒業後に市役所に就職。上司にぶたれたことが原因で後日、所持していたライターで上司の家に放火。上司を含む家族4人を殺害。
彼は勢いのまま周囲にも放火。建物は炎上したが住民は既に避難していたため死者は出なかった。警察に囲まれたツエヘシ容疑者は焼身自殺を図るも警察によって現行犯逮捕。
『マイジ博和』──25歳で高校教師に着任。31歳の時、下校中の女子高校生に痴漢。現行犯逮捕。同時に数年に渡って盗撮をしていたことも判明。懲役5年の判決。
服役後38歳でサラリーマンとなるが1ヶ月で退社。生活保護で暮らしていた40歳の頃、飲酒運転により歩道にいた祖父母とその孫の3人を殺害。日常的に飲酒運転をしていたことも判明。
『ウラハ輝陽』──工業高校を卒業後金属加工の工場に就職するも1年で退職。その後は無職となり実家で動画配信を行う日々を過ごす。
当初は玩具を改造したり凶器の製造をする動画を配信していた。後にそれらを使用して、動物を虐待する様子を配信。
23歳の時に動物虐待で逮捕されるも24歳で釈放。その後も動物を虐待する様子をSNSに上げていくが注目されず、最終的に小学生を殺害。再逮捕される。
通学路にはウラハが製造したと思われるトラバサミのようなものが仕掛けられており、数人が軽傷を負った。
『シドウ大誠』──警視庁の父親と元教師の母親の家庭に生まれた彼は、高校までは名門校に通いスポーツと芸術を学ぶなど文武両道の超エリートコースを送る。
高校3年生の頃、正義感からいじめっ子を注意したことがきっかけでシドウがいじめを受けることになる。そんな時にシドウの母親が病死。
受けていたいじめに耐えきれなくなった彼は、そのいじめっ子を殴り全治4カ月の骨折の重傷を負わせる。直後、公立高校へ転校するも慣れずにドロップアウト。
夜の街を歩くようになり裏社会の人間と関わるようになった。ある時、警察官に職務質問を受けた際突如逆ギレし拳銃を奪いその場で射殺。
同行していた警察官も素手で殴り意識不明の重体。通行人から通報を受けた警官10名が駆け寄ると、彼は奪った銃を捨て土下座をしていたという。後に薬物や強姦などの犯罪を行なっていたことも明らかとなった。
『サイセありや』──両親に代わり幼い頃より祖母に育てられ本が好きな生徒とのこと。小学校に入学すると服装や持ち物の見た目からいじめを受ける。
そんな生活に祖母と共に耐えてきたが11歳の頃その祖母が亡くなり両親から虐待を受けるようになる。
小学校の卒業式から帰宅後、自宅で寝ていた両親を万能斧で殺害。血まみれで歩いていたところを警察官に保護される。警察官に言われた通り家に案内したところで両親の遺体を発見。現行犯逮捕となった。
『ギヨウ恵子』──大学を卒業後は中学の図書館司書に就職。一年後には大学から交際していた同い年の男性と婚約。
円満に見えた結婚生活であったが、子供に恵まれず徐々に不仲になり26歳で離婚。同時に体を壊し1年の入院。
退院後の27歳の時に通学路で子供を誘拐。絞殺し死体を解剖。さらにはその様子を写真撮影。同じやり方で5人の子供を殺害。
警察の捜査が追いつかずそのまま休職していた職場にも復帰。その後、結婚して家庭に恵まれた同僚を殺害。また、立て続けに接点のない家族4名を殺害。
自宅からは惨殺した死体の写真集のようなものが押収された。解剖医によると写真に映っているのは全て子供の死体だという。現在は精神鑑定の結果待ちである。
『キケツ藍也』──大学院を卒業後、中学、高校の教師に拘り以来20年近く教師を勤めることになる。
とても優秀な教師で指導した部活も様々な競技で好成績を収めてきた。プロのスポーツチームからのオファーもあったが断ったという。さらに国立大学からの教授の誘いも断り、公立高校で教鞭を執り続けた。
しかし北海道の中学校で教師をしていた40歳のある日彼はいきなり退職してしまう。
その後、世界中を飛び回り43歳で帰国。山奥で隠居生活を送り始める。その時より集落の子供を殺害して食べる日々を送っていたという。
集落から20歳以下の人間が全員消えるまで警察はキケツの名前すら知りえなかった。
ところがある日新人の警察官が集落でキケツに襲われた。警察官はキケツを撃退し現行犯逮捕。これにより北の吸血鬼の存在が明らかになる。
今まで殺して食べた人間の数は覚えていないというが、捜査では少なくとも20人以上が行方不明のまま。
なぜ人肉を食べるようになったのかの質問に対して、教員時代にある生徒から──「人の肉は美味しいの?」と質問されたがそれに答えられなかったからと述べている。
また、本件についての報道は内容の深刻性や警察の面子の為に最小限に抑えられた。彼もまた精神鑑定の結果待ちである。
『アスカ妃美子』──名家に生まれ幼い頃より英才教育を受けた。
アメリカの大学を卒業後は日本の議員秘書となる。だがその実態はSP。またこれ以上は取り調べは行わないこととなった。詳細は不明のままだがその身柄は後日、上層部に渡す予定になっている。
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レイナ「後は私たちの分だけですけど、どうしましょう。やっぱり勝手に見るのは漆さんとギンターさんに失礼な気がしますが」
「そうだな。2人のは置いておこう。それにしてもみんなにも色々とあるんだな……」
レイナ「私、タスク君の読んでみたいです」
「ああ、俺も読んでみたいよ」
別に読みたくなるものでもない。それでもまるで卒業文集を読ませてと言うように、こうやって会話していた俺たちはどこか異常なんだろう。
レイナ「私のでしたらどうぞ」
「もちろんレイナのも気になるけど、俺は自分のをまず読んでみたいよ」
レイナ「どうしてですか?」
「だって、本当のことが書いてあるとは限らないだろう?」
「もうここにいないみんなファイルが真実かどうか確認できないけど、自分のは自分の記憶と照らし合わせて、確認できる」
「まあ、とにかく読んでみようか。ノリト翼のファイルを」




