5 早く殺人したーい!
5 早く殺人したーい!
赤髪の女「ノリトタスクってもしかして、そこの童貞男のこと?」
???《どうてい?どうていって何か知らないけどそうだよ。彼はノリト翼だよ》
おばさん「びっくりね。まさかあんな真面目で優しそうな子が両親を殺しているなんて」
いや! 待てよ! 待て待て!
両親を殺した? 俺が!?
なんでそんなことをお前らに言われなきゃいけない。お前らにはそんなことは関係ない。どうして──そんなことを知られなきゃいけないんだ。
「……ない。俺は殺していない! 両親を殺してなんかいない! あいつが言ったのは嘘だ!」
???《大丈夫だよノリトくん。僕は言ったでしょ?ここにいるみんなは君と同じ犯罪者だって》
「だ、だからそれがそもそも嘘なんだろうが! だってこの12人の中には子供だっているんだぞ!」
小さな女の子「私は殺したよ」
「・・・は?」
──私は殺した。まだ反抗期だって迎えていないであろう少女がそう言った。
普通の少女がこんにちはを言うように殺したと。私は殺したと。まだ何も知らなそうな少女の口からその言葉が出た。
小さな女の子「あなたと同じ。私も両親を殺したの」
彼女は俺の仲間。あるいは味方だから心配しないでと言いたいのだろうか。微笑みなが俺に近づいて来る。
まるでホラーだ。自分よりも弱いであろうこの少女が俺は怖い。
「よ、寄るな! そもそも犯罪者だってことを証明するものがないだろ!」
???《あーもう。ノリトくんはどうしてそんなにうるさいの?この場にいる人はみんな本当の犯罪者なんだから安心してよ》
「そんなわけないだろなあ! お前たち本当にそうなのか!?」
全員YesともNoとも言わない。そして誰1人として俺の目を見る者もいなかった。あのバカな爽やか野郎でさえ俺と顔を合わせない。
だけど俺は彼ら全員が犯罪者だとは思えない。確かに何人かは言われてみればって感じのやつはいる。
でもスーツ姿の女や爽やか野郎あの外国人だって、それに何よりさっき俺を心配してくれたあの可愛い清楚そうな彼女だって犯罪者には見えない。
みんな普通だ。別に見た目はみんな一般人なんだ。
もちろん赤髪の女、おばさんに眼鏡をかけたおっさん、小さな少女、気弱そうな男、太った男、ノッポな男性──彼らのことだって犯罪者だと思いたくない。
???《あっそうだ!みんなが仲良くなるために自己紹介したらどうかな》
赤髪の女「こんな奴らと私がどうして仲良くなる必要があるっての?」
???《だってみんなはこれから殺し合う仲間でしょ?お互いのことを知るためにも良いと思うよ》
スーツの女性「ちょっと待ちなさい! さっき貴方が言った真のデスゲームという殺人コンテストは本当にやるの?」
???《当たり前じゃん! なんのためにみんながこの島にいると思っているの?》
爽やか野郎「ま、どうせゲームなんだろ? ならまずはルールを教えてもらおうぜ!」
《おっやる気だね〜! じゃあ早速説明するよ!》
ルールがあるとは意外だな。もしかするとその殺人コンテストっていうのは名前が物騒なだけで、実は楽しいものだったりするのかもしれない。そうだ、しょせん子供が考えたものなのだから。
俺はそんな期待をわずかにしていた。




