表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
殺しアイランド~ザイキン12個集めてみた~  作者: 葵尉
5章 殺人と処刑ソースのハンバーグ
52/82

49 死客(シカク)

49 死客シカク



 今回のミニゲームには何もない──そんな甘い考えは黒船から響く爆音によって、粉々に消え去った。


 甘かった。やっぱりタマゴは()()()()()()()()()()()最低な奴なんだ。


 だが、何が起きた? ただ爆発しただけなのか?

 

 黒い爆煙が海に流れていく。煙の中から船の甲板が現れた時、そこにあるべきサウナルームは存在していなかった。


 モニターも別のカメラからの映像に切り替わり甲板を真上から映している。


 そこには人らしきシルエットの物体が横たわっているのが確認できた。波の音に消されそうなかすれ声も聞こえる。しかしよく聞き取れない。

 

 キケツ《に*げ*だ。おにはに*げ*だ》


 レイナ「もしかしてアレってキケツ藍也(アイヤ)じゃないですか!?」


 漆「きっとこのぶっさいくな声もそうでしょ」


 「タマゴ。いったいこれはどういうことだ?」


 タマゴ《うるさいな! 最初にあのサウナルームから出た人が負け、って言ったでしょ?》


 タマゴ《だから最初にあの部屋の扉が開く時には爆弾が反応するような仕掛けになっていたんだよ。その方が見ていて面白いでしょ?》


 レイナ「でもあんな爆発じゃ先に部屋を出ても出なくても、どっちみち死んでしまいます!」


 タマゴ《それはキケツ藍也(アイヤ)が悪いんだよ!!》


 タマゴ《キケツが先に出た場合はサウナルームの爆弾、赤鬼が出た場合は赤鬼の体に仕組まれた爆弾がそれぞれ爆発するはずだったのに彼、赤鬼とほぼ同時に部屋から出ようとしたんだもん》


 タマゴ《2つの爆弾がドアのセンサーに反応して連続的に爆発。そりゃあんな大爆発になるよね!》


 タマゴはそうなることを狙っていたとしか思えないご機嫌な様子。結局奴の狙い通りになりキケツはミニゲーム失敗。今回はタマゴの勝ちだ。


 漆「おい! あの死体動いてるよ!」


 漆が男のような声を出して驚くのも無理はない。その動く死体とは、真っ黒なキケツ。イモムシのように動いている。そして立ち上がろうとしているようにも見える。


 レイナ「今ならまだ助かるかもしれません!」


 タマゴ《うんうん。これは驚いたよ。人間の生命力ってすごいんだね。いや、吸血鬼だからこんなにしぶといのかな》


 タマゴは冗談まじりに笑うだけ。助けようとする気配は微塵もない。

 

 「なあ、生きているならキケツはミニゲームに勝ったんじゃないか? 部屋を出たのはほぼ同時なのかもしれないが、先に出たのは赤鬼だろ?」 


 「その勝者を事故から救済しないのは審判としてフェアじゃないんじゃないか?」


 タマゴ《ノリト(タスク)くん。そうやって煽っても僕は何も思わない。というかさ、君たち忘れているかもしれないけど自分たちの立場分かってる?》


 タマゴ《この島にいる君たちは全員が犯罪者なんだよ。それも殺人犯だ。ゴミクズだよね? そんな君たちには権利なんてものは当然ない!》 


 タマゴ《フェアじゃないだって? 調子にのるなよ? お前らみたいな罪菌(ザイキン)をフェアに扱う必要がそもそもないんだよ!》


 息をつく間も無く言葉を連射するタマゴ。小学生の怒鳴り声に俺たちは完全に圧倒されてしまう。


 言われた内容も容赦がなかった。声と話し方も自分より年下の人間のものとは思えなかった。

 

 タマゴ《本来ザイキンは全員処刑されるべきなんだよ! 人を殺したら当然殺されるべ……べ…き?》


 突如あれほど止まらなかったタマゴの口が止まる。と、同時にあんなにうるさかった声がかすれて聞こえる。


 マイクの故障の音ではない。タマゴが()せている。発作か?声を出すのも苦しそうだ。


 タマゴ《うわぁぁぁぁぁ!!!》


 今度は悲鳴。あのタマゴが怯えている!?突如、船の甲板の映像は消えてタマゴの部屋の映像がモニターに出る。


 その映像に俺たちはこの島に来て一番、驚かされた。だって、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 「・・・うそだろ? アスカ妃美子(ヒミコ)さん!?」


 漆「あの女、ハンバーグにされたんじゃなかったのかよ!?」


 レイナ「生きていたんですね!」


 まるでスパイのように全身黒の服装をしたアスカが立っていた。手には今のモニター映像を撮っているであろうカメラを持ち、自分に向けている。更には余裕の笑顔まで俺たちに見せる。

 

 アスカ《私がハンバーグ?冗談じゃないわよ。この通り生きて、今はタマゴと同じく黒船──ビッグ烏骨鶏(うこっけい)の中にいるわ!》


 「どうやったんだ! タマゴは? 鬼は? 船の中はどうなっているんだ!」


 アスカ《それは後でこの船の中から説明するから落ち着いて。私はまずタマゴに止めを刺す》


 彼女がカメラの向きを変えると社長椅子に座るタマゴが出てきた。


 喋りもせず動きもしないタマゴ。アスカが近づきカメラと距離が近くなるにつれて、苦しそうな声が漏れてくる。その苦しみの理由もしっかりとアスカはカメラに映す。


 座るタマゴの背中側。そこに見える小さな日本刀が背もたれごとタマゴを刺していたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ