47 忍び寄る眷属(けんぞく)
47 忍び寄る眷属
タマゴ《それじゃあ早速発表しまーす! 第3回殺人コンテストの作品は──キケツ藍也作!おばちゃんとおねえさんとかわいい女の子の合い挽きハンバーグです!》
タマゴ《いやー。すごいよね!さすが吸血鬼と呼ばれた罪菌だ。一度に3人も殺しちゃうんだもん》
レイナ「おばちゃんはギヨウさん。女の子がサイセちゃん。おねえさんはまさか・・・アスカさんのことですか?」
漆「まあ、他に当てはまるやつがいないよね」
レイナ「そんな! さっきまで一緒だったのに!」
どうしてアスカが砂浜にいないのに結果発表をしたのかと不思議だったが、まさかそんな、嘘だろう?
俺たちと別れたあの後にキケツに殺されたっていうのか?
でもどうやらタマゴは誰が誰を殺したかまでは知らないらしい。
タマゴはキケツ1人がサイセ、ギヨウ、アスカの3人を殺したと言った。だがそれは違う。実際にキケツが殺したのは2人。
というのは俺の予想なんだけども。サイセを殺したのはおそらく──アスカ妃美子。
でもそんな推理や真実はこの島ではどうでもいい。なんたってここは堂々と人を殺す島。殺さない方が悪いんだ。
タマゴからすれば犯人探しなんてものは邪道に違いない。
タマゴ《そんな素晴らしい作品を提出してくれたキケツ藍也が挑む対決ミニゲームは──上手に待て出来るかな? だよ!》
隣で漆がつまんなそうなゲームねと呟いたが俺は心の中ではその呟きににいいね!を押した。だって上手に待て出来るかなって、犬がやるものだろ。
人間、しかもおじさんが待てさせられている姿を見て何が面白いんだよ。巨乳のアイドルの待てなら見ていたいけど……
タマゴ《ルールは簡単! これから用意される特設サウナルームにキケツと赤鬼の2人が入って、先にそのサウナルームから出た方が負け!》
ギンターがやったのは野球。マイジがやったのはお酒の飲み対決。どちらも普通にやっていてはクリア出来ないミニゲームだった。
だからギンターは対戦者である鬼を殺すという反則とも言える裏技を使った。
キケツもきっと鬼を殺すだろうが今回はそれをしたところでゲームには勝てない気がする。
今回は先にサウナルームから出た方が負け。つまり先に鬼をサウナルームから退出させなければいけない。
もしも赤鬼を殺すならその死体を部屋から出さないと勝ちと認めてくれないだろうな。ギンターの件からタマゴはどうやら学んだらしい。
タマゴ《それでは選手入場でーす!》
赤鬼に連れられてパンツだけを着けたキケツが出て来た。なおさら見苦しい。どこにも華がない。
そんな彼らが向かう船の甲板部分には透明の巨大な箱が置かれている。箱の中には椅子が2つ。それ以外は特に何もない。
あの透明な箱がサウナルームだろう。シンプルで何も変な仕掛けはなさそうに見える。意外とまともな我慢勝負になるかもしれない。
しかしこの様子をずっとモニターで配信するのか?とてもシュールな映像だぞこれは。
漆「こりゃ早々に決着がつくね」
「なんでそう思うんだ?」
漆「考えてみろよ。キケツはほぼ全裸。あのサウナがどれほど熱いか知ったこっちゃないけど、」
漆「肌が焼けて飛び出てくるね。それにあの痩せた肉体じゃ耐えられないっしょ」
だがそれを言うなら、あの鬼だって辛いんじゃないだろうか?あの赤鬼はおそらく着ぐるみ的な構造。それなら鬼の方が温度や湿度による苦しさは感じるはず。
まあ、鬼の中はめちゃくちゃ快適な気温に保たれている、とかだったら話は別だけどな。いや、実際ありそうだぞ……。
タマゴ《ではでは。上手に待て出来るかな? スタート!》




