プロローグ ここは殺しアイランドさ!
適当なジャンルが見当たらないですがデスゲームとして書きました。
プロローグ ここは殺しアイランドさ!
波の音が聞こえる。
夕陽に照らされた白い砂浜が思い浮かぶような──そんなロマンチックな音じゃない。俺が今聞いているのは鉄の板に海水が激しくぶつかってそれが弾ける音。
夕陽どころかここには何の明かりもない。それでもわずかに壁や床らしきものが見える。
どうやら俺はこの鉄の板の中にいるらしい。鉄の板で囲まれた何かの箱の中に。
部屋に窓はない。でも海が大荒れなことは揺れと音で分かる──が、どうして俺はここにいる?
いや、違う。どうして俺は、ここに閉じ込められている?
手掛かりを求めて壁をつたい部屋の中を歩いてみた。ここは何かしらの船の中だとは思うが人間を乗せていく船とは思えない。
ドアもなければやはり窓はない。どこもかしこも鉄だらけで暖かみが無い。
俺はこの船になぜ乗っているんだろう?
漂流しているわけじゃないよな?
この船には他にも人がいるんだろうか・・・いや、いるはずだ!
いつから俺はここにいる? 今は何時だ?
この船沈むんじゃないだろうな?
そもそもこれは船なのか?
まさか拉致された? それとも・・・
頭の中で様々な恐怖が文字となって暴れる。思考が恐怖を風船のように膨らませていく。
恐怖に耐えられなくなった俺は壁を殴って蹴った。床を踏みつけた。踏み潰した。
足と手が痛くなったことで壁に対して腹が立った。だから思い切り唾を吐いてやった。
とりあえず落ち着け俺。そう、いつも通りに深呼吸。
吸って、吐いて。吸って、吐いて。吸って──ダメだ! こんなもので落ち着けるわけがない!
「誰かいないのかよ!!」
俺は叫んだ。泣きそうな声だった。
別に、誰かからの返事を求めたものじゃない。とにかく、波の音しか聞こえないこの状態が嫌だった。
実際誰からも返事がなくて意味のない行為になったが、精神に対して多少の効果はあった気がする。
こんな状況だと自分の声でも聞くと安心するものだ。それでも何も出来ないし何もすることもない。ただ立っていることしか出来ない。
どれだけ壁に寄りかかっていたか分からないがいつの間にか波の音に耳が慣れていた。薄暗いこの部屋も見慣れてしまった。
立っているのもバカバカしく感じて座ろうとした時、急にどこかの壁から音が鳴る。誰かが叩いている?
いや、違う。壁が動いている!多分俺の正面にある壁が横へとスライドしているんだ。
突然の出来事に声も出ない。
暖かい風が流れ込んでくる。その風に乗ってこの暗闇を壊す白い光が差し込む。あまりの眩しさに顔を両手で隠した。
だから俺は、外からこの部屋に入ってきた声の主の顔を見れなかった。でも喋り方と声から生意気な子供。多分小学生だろうと推測した。
???「あー。早く起きちゃったの?君は薬が効きづらいんだね。でも、ちょうど着いたから出てきなよ」
俺にそう言った少年はどうやら先に白い光の世界へ行ってしまったらしい。
特に警戒せず両目を光に慣らしながら外の暖かい空気へと近づく。とにかくここから出られるのならどこでも良い。光があって温もりのある場所へと早く向かいたい。
そんな想いで灰色の部屋を出るとそこは白い砂浜だった。白い砂浜に青い空。辺の奥には緑が豊かなジャングルが見える。
そんな自然にピッタリ合う心が安らぐ波の音が背後から聞こえてくる。そういえば俺が乗ってきた船はどんなものだろう。
ふと気になり後ろを振り返ろうとした時、首にチクリとした痛みが──
2018年版と内容は同じです




