23 第1回殺人コンテスト発表会
23 第1回殺人コンテスト発表会
────砂浜
何かが起こったと覚悟をしてやってきた砂浜。しかしその場所では覚悟を軽く上回る最悪なことが起きていた。
一面真っ白の砂浜には昨日までなかった赤い水玉模様が大量に発生。一番大きな赤い水玉──赤い水溜りからは空に向かって一直線に鉄串が生えている。
その串は粘土のような黒い物体を貫き、今もなおその先端の鋭さをお空の太陽へアピールしている。
やがて海からの潮風に乗って焦げ臭い匂いが鼻に届く。
鼻をつまんで手で仰ぎたくなる不快な匂い。焼肉の肉を炭にしてしまったような匂い。
最初は何か分からなかった真っ黒な物体。俺は粘土だと言った。粘土なら良かった。
よく見ると黒くなった人の手足のような物が苦しみを表現し、真っ黒な顔らしき物が死を象徴している。
紛れもなくあれは人の死体。惨殺された人の死体だ。それを見た誰もが悲鳴を上げるほどの物体。
シドウ「・・・うっそだろ? さ、さすがに作り物だよな?」
ギヨウ「見ちゃダメよサイセちゃん!」
血が散乱する砂浜。今も血が滴る串。その串に貫かれた人の肉体。
焼かれて真っ黒になり鮮明に見えないのがせめてもの救いだったかもしれない。
けれど、とうとう、とうとう誰かが──料理されてしまった。
漆「・・・何あれ」
ウラハ「げっ、くっさ」
キケツ「うん。酷い匂いだね。見た目も最悪だ」
遅れてやってきた漆たちを俺は睨んだ。
だってあの中にいるはずなんだ。あの中にマイジさんを殺した奴が!
タマゴ《みんな集まった? それじゃあ殺人コンテストの作品の発表をするよ!》
「──誰だよ。誰がやったんだよ! 誰がマイジさんを殺したんだよ!」
タマゴ《まあノリトくん落ち着いて。それも含めて──》
「落ち着けるかよ! とっとと言えよ!俺がそいつを──」
ギンター「堪えろ。ノリト翼」
黒船に映るタマゴに向けて振り上げた拳はギンターの手の平が止めてくれた。
「すまなかったタマゴ。発表してくれ」
タマゴ《発表します!第1回殺人コンテストの作品は〜》
またドラムコールが流れ出す。
ふざけてる。こんな空気はおかしい。なんで人の死をこんなお祭りみたいに・・・
タマゴ《マイジ博和作! ツエヘシ隆の串焼きです!》
マイジ博和作。ツエヘシ隆の串焼き。
マイジさんが作った? ツエヘシの串焼き?
────いや、違うだろ! その逆だろ!
俺の覚悟していた現実はそうじゃない。だってマイジさんは・・・マイジさんはツエヘシに殺されたんだ。
「違うはずだ! それじゃあまるで、マイジさんがツエヘシを殺したようじゃないか!」
みんなもそれに強く頷く。俺の言う通りだよな? タマゴは今、言い間違えたんだよな?
???《違くないよノリトくん》
タマゴの声と同じ音量で島からもう存在しないはずの人の声が聞こえた。
そんなはずがないと黒船を見るとモニターには──
マイジ《私がツエヘシ隆を殺したんだよ》
眼鏡をかけたおじさんが映っていた。




