22 人間串焼きの完成でーす!
22 人間串焼きの完成でーす!
──んん。ああ、朝?・・・か。
いつの間にか俺は寝袋に入っていたようだ。
寝るまでの記憶をたどろうとしたその時、鈍器で殴られたような頭痛に襲われる。
しかしその頭痛を引き金にして昨晩のことを思い出せた。そうだ、昨日チカイさんに毒色のお酒を飲まされた。そこからの記憶は・・・ない。
二日酔いというものはまだ知らないがおそらくこの頭痛がそうだろう。頭を抑えながら起き上がると元凶である隣の彼女が俺に微笑む。
チカイ「おはようございますノリトさん」
「お、おはようチカイさん」
チカイ「昨日はよく寝れました?」
彼女は天然なのか? 俺を煽っているのか?
でも笑顔から悪気は感じられない。純粋に俺のことを心配している。こういうタイプの看護師さんいそうだな〜。
「ま、まあまあだよ。あ、サイセちゃんおはよう」
サイセ「おはよ〜」
見渡すと寝ている人間は誰もおらずどうやら今起きたサイセちゃんが最後らしい。
昨日一番に寝ていたアスカさんは寝袋など荷物がすでに片付いている。他のみんなも今荷物を整理している最中。
「アスカさん早起きですね」
アスカ「私よりも彼の方が先だったみたいよ」
彼女は洞窟の一番入り口側に置いてある荷物を指差した。確かにその場所にあった荷物は全て片付いている。
確かあそこで寝ていたのは──今この場にいるみんなの顔を見て1人足りないことに気がついた。
そう、昨日一番騒いでいた彼の姿が見えない。
とっさにみんなに確認すると俺と同じくそのことに今気がついたようで、洞窟内を見渡していた。
ギヨウ「昨日飲んでいましたから、外じゃないかしら?」
シドウ「俺は起きてからは見てねーぜ」
なんでだろう。別にただこの場にいないだけなのに胸がざわつく。そして最悪なことをイメージしてしまう。
「アスカさんが起きたのっていつですか!?」
アスカ「私は15分くらい前よ。その時にはマイジさんはいなかったから、どこか行っているんだと思ったけれど・・・戻ってこないわね」
ギンター「もしかすると先に砂浜に行って荷物を受け取りに行ったのかもしれない」
チカイ「そういえば昨日の瓶や缶もないですし箱ごと返しに行った可能性もありますね!」
「俺、ちょっと砂浜を見て来ます!」
じっとなんてしていられない。すぐにマイジさんを探しに行かなきゃいけないと感じた。
何もないならそれで良い。けれどこの島では、何かが起きないことはありえないと思った
ギンター「なら俺も行こう」
シドウ「じゃあ俺も!」
アスカ「なら私たちも行くわ」
急いでジャージに着替え6人全員で洞窟を出た──その時だった。
タマゴ《ぷっぱか♪ ぷっぱか♪ ぷっぱかプー♪》
いつものタマゴの歌が特別調子よく流れた。
タマゴ《第1回殺人コンテストの作品が完成しました! 発表を行うので至急砂浜まで来るように!》
瞬間足を止めた俺たちは互いに顔を見合わせて頷いた。認めたくない何かが起きたことはシドウですら分かっているだろう。
俺たちは覚悟をしながら砂浜へ走る。




