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殺しアイランド~ザイキン12個集めてみた~  作者: 葵尉
2章 第1回殺人コンテストお題は「焼き鳥」
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17 だから早い者勝ちなんだってば

17 だから早い者勝ちなんだってば



 気がついた時にはもう手遅れ。漆はすでに赤い箱の赤いボタンを押していた。


 「頼むシドウ! 漆を止めてくれ!」

 

 「い、いや、ムリ! ムリだって! 俺にはできない!」


 なんだよ。図体が立派なくせに!──なら俺が止めるか?


 いや、無理だ。だからシドウに頼んだんだ。けど、誰だって無理だよな。

 

 自分が素手なのに相手は凶器を持つんだ。しかも相手は漆。


 タマゴ《アッヒャヒャハ。本当罪菌(ザイキン)って面白いね。自分は平気で殺してきたのに、いざ殺されるとなると人間アピールするんだもんね》


 チカイ「みなさん落ち着いてください。あの箱はまだ開いていませんよ!」


 漆「ちょっとー! この箱開かないんですけど!?」


 ほん……とだ。箱はまだ開けられていない。


 イライラしている漆はボタンを連打していた指を足に変えて何度も踏みつけている。いっそ壊れて開かなくなればいい。


 タマゴ《だって今のはフライングじゃん?》

 

 漆は舌打ちをすると赤い箱を蹴るのをやめた。


 タマゴ《あとこれも言い忘れていたんだけど、殺人をやっちゃいけない場所があるんだ》


 サイセ「……言い忘れ多くない?」


 マイジ「もしかして私と同じおじさんなんじゃないのかな?」


 タマゴ《ちょっと! 僕は君たちよりも若い小学生なんだけど!》


 アスカ「その場所っていうのは?」


 タマゴ《洞窟だよ。洞窟の中にいる人を殺すのは禁止》


 漆「それじゃあみんな洞窟に入っちゃうでしょ!」

 

 タマゴ《そうならないために青鬼を24時間洞窟の前に配置しているんだよ》


 タマゴ《夜はみんなを守るための警護。昼間は不必要に洞窟に入る人がいないかの見張りとしてね》


 チカイ「朝や昼に洞窟でご飯を食べるのもダメなんでしょうか?」


 タマゴ《あー着替えとかあるもんね。じゃあ少しの時間はOKで!》


 漆「それなら私は賛成」

 

 「俺たちも賛成だ」


 反対したいところもあるがどうせあいつがルールを変えることはないだろう。それに逆らったところで……。


 タマゴ《じゃあみんな頑張ってねー! 早く僕に極上の〝焼き鳥〟を見せてー!》


 タマゴの映像が消えた──その瞬間、プシューという音と共にすぐ近くから赤い煙が噴出。煙は島のどこから見ても確認できるほど高く昇り周囲を包み込む。


 視界が赤い。赤一色で何も見えない。誰がどこにいる?


 アスカ「この煙って物資の箱を開けた時と同じような煙よ!」


 チカイ「じゃあ今開けたのって──」


 「箱に一番近い奴──漆だ!」


 煙を手で払い赤い箱があった場所を見る。

 

 赤い煙の中から現れた漆幸香。彼女は狙った獲物の元へ駆け寄った。


 自分の背丈近くある鉄串を槍のように持った彼女は、サイセありやの顔にその鋭い先端を向けていた。


 漆「刺されてから焼かれるのと、焼かれてから刺されるの。サイセちゃんはどっちが良い?」

 

 「サイセ!!」


 俺は彼女の名前を叫ぶことしかできなくて、漆を止めようと動くことすら出来なかった(しなかった)

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