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殺しアイランド~ザイキン12個集めてみた~  作者: 葵尉
2章 第1回殺人コンテストお題は「焼き鳥」
18/82

15 夢じゃないよ

15 夢じゃないよ



 ────次の日の朝。

 俺たちは島のどこからか聞こえるタマゴの例の歌で起こされた。


 タマゴ《ぷっぱかぷっぱかぷっぱかプー♪ ぷっぱかぷっぱかぷっぱかプー♪》


 タマゴ《おはよう罪菌(ザイキン)たち。気分はどう? いきなりだけど発表があるから砂浜まで来てね〜!》


 涼しくて気持ちがいい洞窟の中。かすかに入り込む優しい朝陽。眩しすぎないおかげで気持ちよく目を開けることが出来た。


 体の調子は良いが心はそうとはいかない。昨日の出来事は全て夢で、朝起きたら自宅のベッドの上なんじゃないかって、そんな希望を抱くことすらタマゴのあの歌が許さなかった。


 ギヨウ「発表って何かしらね〜」


 マイジ「あんまり良い予感はしませんよ」


 シドウ「あー腹減ったー。朝メシなんだろうなー」


 アスカ「この状況でもシドウくんは楽しそうで凄いわね」


 シドウ「せっかくだし楽しもうって思ってんだよ」


 今じゃシドウのこの性格がありがたく感じる。彼は良いムードメーカーだ。


 99人が諦めてもこいつ1人は上を向いてそうな、そんなやつ。戦国時代だったら信長あたりに好かれて偉人になっていたかもな、なんて。


 基本はバカだけどシドウがこちらに来てくれて良かった。


 サイセ「あっ!向こうの人たちはもう出て行くよ」


 サイセが外を指差す。見ると漆たちが既に砂浜に向かっている。


 さすが()()()が高いだけはあるな。


 「俺たちも行こう!」


 青鬼「ミズ、ヨウイシタ。コレデ、キレイニナル」


 洞窟を出ようとすると門番の青鬼が指を下へ向けていた。


 シドウを先頭になにかと伺うと、ゴムプールで出来た簡易水浴び場を用意してくれていた。


 早速そこで顔を洗うと寝間着のジャージのまま砂浜へダッシュで向かう。洞窟を出た後、振り返って見ると青鬼たちはちゃんと洞窟の前に立ち変わらず門番をしていた。

 

 チカイ「あれ?アスカさんが来てないですね」


 「なら俺が見てくるよ。みんなは先に行ってて。頼んだぞシドウ」


 シドウ「おう! 任せとけ!」


 彼らとは逆方向、俺は洞窟へ戻った。すぐに気がついたから良かったけど、アスカさんどうしたんだろう。


 「アスカさ──」


 アスカ「ちょっと!! 着替え中よ!」


 「ご! ごめんなさーい! 先に行ってまーす!」


 アスカ「そこで待ってなさい!」


 「はいっ!?」


 洞窟を覗くと同時に俺は下着姿の彼女を覗いてしまった。


 この島でなかったら犯罪か? この島でもアウトか?いや違う──これはそう、ラッキースケベだ。

 

 でも全然ラッキーじゃない。めちゃくちゃ怒ってた。

 

 まあ、怒るのは当然だけど偶然なんだからしょうがないじゃないか。それにみんなは着替えないで行っているのに、なんで自分だけ着替えてるんだ。


 アスカ「もういいわよ」


 「あれ? 着替えたんですか?」


 洞窟から出て来た彼女の服装は寝る前と何も変わっていない。ジャージ姿はスーツの時との比べると少し可愛らしさがある。また、少し若くも見えた。


 アスカ「昨日のスーツを探していたんだけど、見当たらなかったから諦めたわ。それより──()()()()?」 


 「いえ。何も見ておりません」


 そう答えなければ殺すと言わんばかりの顔で睨まれる。


 念を押すように何度も同じ質問をされたが俺はその度に同じトーンで、同じ返答を、同じ表情で行った。


 今の俺はきっとどんな騎士よりも忠実に見えただろう。

 

 どうして女の人は怒るとこんなに怖いんだよ。そりゃ、少しは見えてしまったけども。


 ()()()()()なんてことを、馬鹿正直に言ったら殺されるかもしれないな。


 アスカ「勝手な行動をして悪かったわね。さあ、行きましょう」


 さっきまであんなに怒っていたのに、すぐに普通の彼女になった。この切り替えの早さは流石働く女性だ。

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