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殺しアイランド~ザイキン12個集めてみた~  作者: 葵尉
1章 12人のザイキンとゆかいなタマゴ
16/82

13 ナゾナゾなんか嫌いだよ 

13 ナゾナゾなんか嫌いだよ 



 青鬼「ココガネドコ。オトコトオンナ、ワカレロ」


 ほんの少し歩き、ウラハの歩くペースが落ちたところで先頭の青鬼が立ち止まった。


 彼らに案内されてやってきたのはこの島に来てから今初めて見た洞窟。


 くりぬいたように綺麗な丸の入り口をした洞窟は都合の良いことに2つあり、少し距離をとって並んでいる。

 

 漆「じゃあ右が私らで。お前ら男は左な」


 ・・・別にどっちでも良いだろう。漆に言われるとなぜかすぐに納得できないが。


 シドウ「漆。お前って女だったのか?」


 漆「シドウ。テメエは殺してくださいって言ってんのか?」


 止めに入れないほど漆の声からは怒りと殺意が出ている。さっきのギヨウさんといいたった一言で一瞬で、女性というのは豹変してしまう。


 だが悪いのはいつもその一言を言ってしまう俺たち()の方なのかもしれない。


 シドウ「いや、ちげーよ。けどよ、漆って言葉使いが男みたいだったからな悪い」


 シドウは天然──いやバカか。あえて煽ったのかは不明だが、漆は俺と言い合った時よりも怒ってしまった。


 そんな彼女の赤い髪の毛はまるで燃え上がる炎。


 漆「──言っとくけど私は苦しませずに殺す方法を知っている。でもあえて苦しませて殺すこともできる」


 漆「特に男のお前らはそのぶら下がってるモノ潰して殺してやるよ」


 タマゴ《ダメだよー! ダメダメ! 漆さんそれはダメー!》


 チカイ「タマゴの声!?」


 ツエヘシ「声だけじゃないよ見て! 青鬼の目が光って洞窟の岩にタマゴの映像を映してる!」


 ウラハ「これはすごいよ! どんな技術だろう!」


 彼らが興奮して話すのも分かる。これは本当にどんな仕組みだろうか。タマゴの声だってどこから聞こえているんだ?周りには木と土の自然しかないのに。

 

 漆「何がダメなんだよ言ってみろ!」


 タマゴ《だってそれは()()()()()だもん》


 漆「どう殺そうが人の勝手だろうがよ!」


 タマゴ《ルールを思い出して漆さん。これは殺人コンテスト》


 タマゴ《()()()()()()()()()()()()。その殺し方の〝お題〟は僕が出すって言ったろう?》


 漆「そうだよそのお題! なんで早く出さないんだよ!」


 タマゴ《それはちょっとね。どっかのマヌケな人がルールを忘れて殺人を起こさないか期待していたんだよね》


 ギンター「それはなんのためだ? 無駄に死人が出ることはお前も避けたいんじゃないのか?」


 タマゴ《でも1回さ、試しにルールを破った人間がどうなるか見せておきたいじゃん》


 ギンター「くだらん。どうせミサイルでも撃つんだろう」

 

 「じゃあタマゴはわざとお題を出さなかったのか?」


 タマゴ《うんそうだよ。なのにみんな思ったよりもお利口さんだから退屈だったなー》


 アスカ「ルール違反はどんなものがあるのかしら?」


 タマゴ《1つは今言ったように〝お題〟以外の方法で人を殺すこと。2つ目は決まってないけど、この僕に逆らうことにしようかな》


 「逆らうって……例えばどういうものだ」


 タマゴ《まあ当たり前だけど僕を殺そうとする、とか》


 キケツ「ちなみに聞くけれど、そこの青鬼は殺しちゃっても良いのかい?」


 タマゴ《うん。良いよ》


 タマゴはそう答えるまで間を作らなかった。そう答えることに全くためらいがなかった。


 「おい! 青鬼はお前の仲間じゃないのか?」


 タマゴ《違うよ?僕のおもちゃだよ》


 質問した俺に対して何を言っているんだと言わんばかりにタマゴは口を押さえて笑う。


 こいつ狂ってやがる。命をなんだと思っているんだ。


 タマゴ「青鬼の代わりはまだまだいるんだよね。なんなら殺しの練習に使っても良いよ》


 ギンター「やめておけよお前たち。あの青鬼の素性は不明だ。無闇に手を出さないほうが良い」


 ギンターの言う通りだ。タマゴはあえて青鬼を殺しても良いと言った可能性がある。


 わざとお題を発表しなかったように、俺たちを何か罠にはめようとしているんだ。


 漆「つーか。なんでも良いから早くお題出してくれない?私本気で帰りたいんだよね」


 みんなそうだろう。だが漆の顔は誰よりも特別真剣だった。

 

 彼女からは何か目的があってこの島から出たいという想いを強く感じる。


 思えば彼女は一番島から脱出しようとしていた。だから早く殺人をしようとしていたんだろう。彼女にそこまでさせる理由・・・気になるな。


 タマゴ《じゃあ早速発表しまーす! 殺人コンテスト!第1回目のお題は〜》


 青鬼が手拍子をすると同時にドラムコールがどこからか流れる。タマゴの変な歌ではなく、ちゃんと楽器で奏でる音だ。

 

 こんなに明るい気持ちになれないドラムコールがあるだろうか。ドキドキはするがそれは決して楽しいものじゃない。


 だってこれが発表されたら間違いなく誰かが誰かを殺すだろうから。


 タマゴ《じゃじゃん!〝焼き鳥〟です!》


 シドウ「焼き鳥って食いもんだろ? それがお題?意味わかんねーよ」


 殺人のお題が焼き鳥・・・焼き鳥がなんだって言うんだ?悔しいがシドウのバカ同様に俺もちょっとよく分からないな。


 あ、もしかしてナゾナゾか?タマゴのような小学生は好きそうだもんな。


 ギヨウ「最悪ですね」


 「ギヨウさん何か分かったの?」


 ギヨウ「皆さん忘れたんですか?今日の夜ご飯は──焼き鳥ですよ」


 彼女は焼き鳥串を1本持ってみんなに見せる。瞬間、俺の頭は世にも恐ろしいこと──串刺しにされて焼かれる人間の姿をイメージしてしまった。


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()。つまり焼き鳥とはそう言うことなんじゃないだろうか。

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