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殺しアイランド~ザイキン12個集めてみた~  作者: 葵尉
1章 12人のザイキンとゆかいなタマゴ
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12 この島でも秩序は大事

12 この島でも秩序は大事



 絵本や歌に出てくる鬼が俺たちの前に4体現れた。


 ウラハ「青鬼ってこれマジの鬼じゃないか!」


 キケツ「ははは。これはナマハゲより迫力があるね」


 ツエヘシ「さ、さすがに中身は人間でしょ?」


 キケツだけが唯一、鬼を見て笑っていた。かつて吸血鬼と言われた男から見ればこのリアルな鬼が怖くないのだろうか。


 タマゴ《青鬼はこの島の警察官だと思ってね。何かルール違反を犯した人を捕まえてくれるからみんなも安心して頼って良いよ》


 ギヨウ「本当に大丈夫なの!? 私たちを襲わない?」


 タマゴ《ギヨウさんみたいな()()()()はいくら鬼でも範囲外だから安心して》


 その言ってはいけない一言(タブー)で彼女の頭の血管が数本プチンとキレる音が聞こえた。


 両手を握りしめて振り上げた彼女は無意味と分かりながらも遥か遠く、モニターの中のタマゴにたんこぶを作ってやろうと必死になる。


 怒ったおばさんは青鬼よりも恐ろしい。


 ギヨウ「ちょっとそれどういう意味よ!!私はあんたみたいなガキが一番──」


 マイジ「まあまあギヨウさん落ち着いて! 私はあなたのように()()方がおばさんとは思いませんよ!」


 その一言で静まったギヨウさんは嬉しそうで女の顔になっていた。彼女を抑えてくれたマイジさんはまるで旦那。

 

 にしても一言で怒ったり喜んだり、女の人ってほんと分かんないな。


 タマゴ《と、とにかく! 青鬼はみんなを襲わないし殺さないよ!》


 サイセ「ねえタマゴ。もしかして()()もいるの?」


 タマゴ「え〜。それ今聞いちゃうの?サイセちゃんは流れってのが分かってないな〜」

 

 サイセ「流れ?」


 ギンター「早く寝るところに案内してくれないか」


 タマゴ《オッケー。じゃあ青鬼!あとはよろしく》


 そう言ってビッグ烏骨鶏に映っていたタマゴは一瞬で消えた。


 どうやら本当に青鬼に任せるようだ。俺たちはその青鬼を警戒しながら一旦集まる。


 アスカ「あとはこの青鬼に聞けってことかしら」


 漆「冗談じゃないね。それならまだ自力で島を探索する」


 ギンター「青鬼の中身は人間だろう。だからその・・・会話が出来るんじゃないのか?」


 ウラハ「だけどあれだってタマゴの手先だろ?なんにも期待しないほうが良いよ」


 「そうだな。どうせ俺たちを寝床へ案内して役目は終わりだろう」


 ・・・あれ? そういえば1人いな──


 シドウ「よろしくな青鬼。俺、シドウ大誠(タイセイ)


 集団から抜けていた1人のバカの行動に俺たちは呆然。彼に挨拶をされた青鬼は軽く会釈をして彼が差し出した手と握手をしている。


 なんでこいつは青鬼を警戒しないで近づいて握手なんてしているんだ?外国人もびっくりのコミュニケーション力だなこいつ。

 

 バカだがそれはとても価値のある行動。青鬼に対してとりあえず安全が確認できた。


 俺たちは各自の荷物を持ち、青鬼の元へ近づく。


 青鬼「アンナイスル。ツイテコイ」


 2体の青鬼は俺たちに背を向けて森へと入って行く。


 サイセ「喋った! 鬼が喋った!」


 チカイ「まるでロボットみたいな声でしたね」


 ウラハ「まるでじゃなくてその通りだと思う。多分あれは被り物で声はその中で変換されているはず」


 残り2人の青鬼は俺たちを守るように最後尾についている。警察官には見えないが俺たちを傷つけるつもりは確かになさそうだ。


 だがこいつらの存在は奇妙だ。背丈は人間で体も怪物の鬼のように特別大きくはない。まあ頭が鬼だから迫力はあるがやはり()()()()()だろう。


 仮に青鬼の正体が人間だとするならこの島には俺たち12人以外にも人間がいるってことになる。


 ならその人間──つまり青鬼に助けを求めることだってできるんじゃないだろうか。

 

 というか彼らはどういう理由があって青鬼なんて役をやっているんだろう。


 タマゴの正体といい、分からないことばかり増えていく。

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