8 僕はお肉きらーい
8 僕はお肉きらーい
ギヨウ「今この人、食べるために殺したって言いましたよ!? なんですかそれ!」
シドウ「お兄さんまた冗談でも言ってるのか?」
アスカ「カニバリズム──食人行為をするために人を殺したんですか?」
ノッポの男性「ああ、そうだよ」
記者のような彼女の問いに奴は慣れた口調で答えた。人を食べるために殺したならこの人は本当に変人だ。
一見優しそうで頼りたくなるお兄さんって雰囲気なのに狂っている。
人を殺しておいて、しかも食べるためという自分の欲望を満たすために殺したのに、なんでこいつはこんなに簡単に〝そうだよ〟なんて言えるんだよ!
一体何人殺せば彼のように殺したと実感できなくなるんだろうか。
ギンター「──もしかしてあんたはキケツ藍也か」
ノッポの男性「そうだよ。私はキケツ藍也さ。ギンター・アッシュは私のことを知っていたかい?」
ギンター「知識としてだがな」
マイジ「もしかしてキケツさんは北の吸血鬼ってネットで言われていた人ですかね?」
キケツ「そうさ。私が北の吸血鬼さ」
ギンターとマイジさんの年長組はその〝キケツ藍也〟という人物のことを知っているようだ。
俺は北の吸血鬼と聞いてもピンとこない。もしかすると、キケツが罪を犯したのは相当昔?
漆「北の吸血鬼という異名は察するに北国で人を食べていたから?」
キケツ「それと私のこの見た目だよ。ほら吸血鬼は不老不死だろう?」
キケツはモデルの如く自分のスタイルを見せびらかす。同時に笑顔まで作り若さを更にアピールする。ただ不気味なだけだ。
シドウ「え!? あんた不死身なのかよ!」
キケツ「まさか。私はただの人間さ」
ツエヘシ「ね、ね、人の肉って美味しいの? どんな味なの?」
俺も好奇心としてそれは気になったことがある。だけどいざそれを知っている人が現れた時にとても聞けたもんじゃない。
ましてやこの状況で人の肉は美味しい──なんてことが真実とされるわけにはいかない。
キケツ「そうだね〜。若い女性や子供なんかは──」
「やめろよ!!」
怒鳴ることで強制的にそれを言わせなかった。恐ろしいことにキケツはそれを普通に語り出したんだ。
何も抵抗なく自慢するようでもなく、ただそれを教えるように話していた。その姿が見るに堪えなかった。
「怒鳴ってすいません。でもそういう話は聞きたくない人もいると思うのでやめてください」
キケツ「じゃあ後で話そうかツエヘシくん」
ツエヘシは強く頷いていた。この2人、変に仲良くならなければ良いが・・・。




