新しい風景
「未耶好きだよ」健太の顔が未耶に近ずいてくる。ここで・・・
「は!・・・なんて夢を・・・」私こと高梨未耶は、昨日のデートの帰り、誘われた丘の上で山井健太と付き合うことになった。
「なに朝から学校で寝てるの?」鈴音と蘭華が近ずいてくる。
「いや、ちょっと昨日眠れなくて・・・」
「何かあったんですか?」鈴音が昨日のことを聞いてきた。未耶は思い出して顔を赤くする。
それに気づいた蘭華がさらに聞いてくる。
「あやしい、なに隠してるの?どうせ山井先輩のことでしょ?」鋭いな・・・
「う、うん」すると階段の方が騒がしくなってきた。クラスメイトが走って教室に来る。
「みんな!なんかすごいかっこいい人がいるんだって!」そう言われると教室にいる女子はすぐさま階段の方へ出ていった。
「私たちも行こうか・・・ね?未耶」
「う、うん」未耶たちも教室を出た。階段に近づくとかっこいいと言われている男子の顔が見えた。
「あれ?もしかして健太?」でも髪が短くなっている。もしかして健太似の別人なのかと思った。でもすぐに答えは出た。
「あ!おーい未耶!」宮野名前を呼んだ男子が近づいてくる。
「え?もしかして健太?」
「もしかしても何も僕は健太、未耶の彼氏でしょ」この発言にかっこいい男子を見に来た女子の視線が未耶に向いた。
「なんで髪切ったの?」未耶は気づかず健太と話す。
「せっかく未耶と付き合ってるんだからイメチェンしてみてかっこよくなろうかなって…どうかな?」
「うん!かっこいいよ」未耶は心の底からそう思った。
こんな会話を2人でしている中周りでは「なんだー未耶の彼氏かー」「あんなかわいい彼女がいるんじゃ無理ー」「未耶に後で聞いてみよー」などという会話があちこちで行われている。
「未耶、今日一緒に帰らない?」
「うん!もちろんいいよ!」
こうしてかっこいい男子が3年生にいるという噂が学校中に流れた。あと彼女が2年生にいることも・・・
そして放課後2人は一緒に下校した。この後も2ヵ月、2人は楽しくて平和な時間を過ごした。
しかし、こんな時間は長くは続かなかった。