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01 インモラルダクション

この作品では15禁な表現がよく含まれます。

しかしシリアスは一切ありません。

「んっ、ふ、んん、んくぅ……。ねぇ、ちゃんと見てくれてるわよね?」


 彼女甘い声を上げスカートと下着を脱ぎ去ったまま、机の上に乗って腰を落としていた。

 そんなあられもない姿を放課後の教室でしている背徳的な光景に、俺は思わず喉を鳴らす。


「んんっ、はぁ、んっ、アスタぁ……もうすぐ出るから、待っててねぇ」


 視線の先には丸見えになった下半身と、その直ぐ下に置かれた銀の受け皿。

 足をM字に曲げお尻を皿の上に浮かしたまま、彼女は額に汗を浮かべて小さく唸る。


「んんっ、そ、そろそろ、でるからねっ、んっ、くぅっ」


 そんな状態であるにも関わらず、彼女は真っ赤な顔に笑みを浮かべてこちらを見ていた。

 勿論俺は何もしていない。

 彼女を拘束したわけでもなければ、命令したわけでもない。

 彼女の意思でこの状態に陥って、俺の理解も終わらぬまま彼女はこの行為へと移ったのだから。


「ん、出る、出ちゃうっ、んんんんんん!!」


 彼女の荒い声と同時に、突き出たお尻から捻り出される固そうな物体。

 普通の人間とは違ったその物体はとても綺麗な宝石のようで、半透明なオレンジの光を放っていた。

 それを出し切った彼女は全ての力を使い果たしたのか、机の上で倒れそうになる。


「危なっ!?」

「きゃっ、……ありがと、アスタ」


 サッと移動して机の上から落ちかけた彼女を抱き留めると、先程彼女の中から生み出された宝石のようなものを差し出された。

 ……臭くないのだろうか。


「この魔石、使って?」

「いや、あの」

「私がアスタの為に作ったの。誕生日プレゼント、受け取って?」

「……え、うん」


 手渡された魔石は暖かくて湿っていて、これが彼女から出てきたものだと考えると顔が熱くなる。

 丸見えだった彼女の身体を細部まで思い出してしまえば、俺の理性は簡単に吹っ飛んでしまうだろう。

 しかしそれ以上に、衛生面のことを考える俺がいた。


 そんな俺の心を知らず、顔を紅く染めて潤んだ瞳で俺を見る彼女。

 この国の王女である彼女、サーラ=ウィンチアーナのそのぷっくりと膨らんだなでしこ色の唇が近付いてきて、俺の唇へとそっと……。

 いや、そんな雰囲気では無いの気がするんだが。

 戸惑いと呆れの中、状況を打破する存在がやってきた。


「こらあああああ!!!! なにやっとる! ちぃのアスになにしよっとか!! 離れぇサーラ!」


 大きな音を立てて教室の扉を開き、白いコートのフードを外して何処かの方言を混じらせて叫ぶ女の子。

 彼女はこの国の国教であるシーコ聖教の唯一無二の聖女様、ノエル=オシーコン。


 怒りのオーラが見えそうなほど顔を歪ませ肩を震わせるノエルは、力強い足運びで俺が抱き留めていたサーラを奪った。

 そしてそのまま横回転の勢いで、サーラを教室の床へ投げつける。

 ……聖女だからと言って、この国の王女様を床に投げていい理由はないと思う。


「いたたた……。ふ、ふふっ、あーはっはっは!! 私とアスタはこういう関係なんですの。貴女の入る隙間などありませんわよー? ねぇねぇ、今どんな気持ちですの?」

「むきいいいい!! アス! アスはちぃを選ぶっちゃね!? ちぃはアスがおらんと生きていけんやー!」


 床から立ち上がりながらもサーラは強気の姿勢、その挑発にいともたやすく乗っていくノエルは、ぷんぷんと言いそうなほど両手の拳を上げ、頬を膨らませて抗議していた。


「あらあら聖女様は我が儘なのですね、アスタがそれを望んでいるわけがないのに」

「そんなことねー! アス、言っちゃれ! アスやってちぃを選ぶに決まっとりゃあ!」

「そんなことあり得ませんわよね、アスタ? 貴方は私を選びますね?」


 仲良く言い合っていたのに、いつの間にかこちらへ詰め寄ってきた二人。

 三人の顔が触れ合いそうな距離に近付く。

 ギラギラした目の二人を見てから、俺は頷く。

 いや、頷いただけだ、二人共顔をパァッと明るくするんじゃない。


「二人とも、そこに正座」


 その笑顔を固まらせて俺の顔を見つめてくる。

 上目遣いをしても、涙目になっても無駄だ。


「な、何言ってるちゃね! それよりもさき」

「正座」

「そ、そうですわ。私この後予定がありま」

「正座」

「「……はい」」


 言いたいことがありすぎて説教しきれなかったが、一時間ほどたっぷり説教した。

 俺の婚約者である、この二人に。

 教室で尻から魔石を出す王女様と、お小水で魔を払うことができる聖女様に。




 ――この国では一夫多妻制が認められている。


 ――だが正妻は最初の一人と決められている。


 ――愛する人と結ばれるならば、正妻になりたい。


 ――この物語は変態、……もとい個性豊かなヒロイン達がそんな願いを叶えようと画策する戦いを描いた、シリアス要素が一切ないが表現的になろう運営に怒られるのではないかとビクビク震える夜を過ごす、変態ラブコメである。

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レビューを書いていただくともれなく作者がでんぐり返しの末、箪笥に足を強打します。

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