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ラストワールド・イン・ザ・ゲーム  作者: ボーダー少年
1/3

ラスゲ

…ゲームの中にまずはようこそ。

「上、下、上、下、右、左、右、左、selectボタン連打!!ぁぁぁぁぁぁ」


現在、地球上が灼熱と化す真夏の8月。住宅街のど真ん中に在る一軒の家から奇声が響き渡っている。


「ちくしょー!!なんでだよっー。一生涯でこれ以上のボタン連打はないぞっ」

まだ・・・。足りないのか・・・。と心の中で呟きながら、長髪の少年が階段を優雅に降りて行く。


「(ΦωΦ)フフフ…。皆の衆、これはお待たせ申した。僕の名は、ルイ・エルフィン様だ。」


少年は、一息付きそして再度口を動かす。


「待ちに待った、今日という日はご存知の通り”ラストワールド”の発売日だ。この日を、何度待ち詫びた事か。1サイクル事にタイムスケジュールを組み、情報回収務め、ターニングポイントの宿泊調査、今日のアンケートコーナー・・・。僕ほどの有能な戦士が他に居たで在ろうか。ふはははははははっ・・・」。


✖✖ 1章 謎の声 ✖✖


「見て、あの家から・・・また、変な寄生が聞こえるわよ。ほんと…気味悪い。」

「ほんとに、気味悪いわよね。私、もう隣の町に引っ越そうかしら…」


何時まで、続くのか分からない”ママ友”と呼ばれるマダム達の会話が道端で聞こえる。


その頃…。某コンビニの雑誌コーナーで、一人の男子学生が一冊の本を手にする。


”オカルト研究会による、真の世界の輝き”。


何だ…。この、嘘臭いネーミングセンスは。今時、この類のオカルト本何て流行るのか。


男子学生は、そう思いながらもページをめくった。そして、順にページをめくってゆき、ある項目がその目に飛び込んだ。


”高級住宅街ど真ん中にそびえ立つ、華やかな豪邸から響き渡る、聞こえてはいけない声”。


「まっちんー!何、してんだよー。こんなところで、立ち読みなんて連れないなー!」

聞き覚えのある声が、僕の耳に飛び込んで来る。


彼の名前は、桜庭準太。僕が、通っている八乃瀬学園でのクラスメイトだ。


僕は、彼の事を友人だなんて公言した事も無いが、彼は僕にベッタリと付いてくる。


「へーっ。まっちん、オカルト本なんて読むんだー…んっと、見せてみ。」


君達は、オカルト現象を信じているかね。

もし、信じていない方達が居ればはっきりとこう告げよう。

”オカルト現象は、架空の話や構想上の話と言われているがそうでは無い。”

”オカルト現象は、この世界に確実に存在している。それを、裏付けた確信的な正体がこの現象だ。”

住む都と呼ばれる高級住宅街のど真ん中に建つ、華やかな一つの豪邸。

だが、この豪邸はただの豪邸では無い。別名”叫びの屋敷”とも呼ばれている。

すまない…。すまない…。驚かせてしまったかな。

ただ、叫びの屋敷といっても、ゾンビに襲われている奇声がする訳では無い。

言うならば、それとは正反対なポピュラーな絵となっているのが、この屋敷の最大の謎だ。

毎日、午後3時。必ず、この時間に在る少年の声が住宅街に響き渡る。何時も、同じフレーズを発する。

決して、長時間続くのでは無く、18秒程度で謎の奇声は何時も鳴り止む。

ここまでの話だと、ただ毎日変わっている少年が大声で奇声を浴びている…迷惑な事件だ。

だが、問題はそこでは無い。”在るべき存在が、そこには無いのだ。”

奇声が、響き渡っている豪邸には住んでいる住人は愚か、中は蛻の空だ。そして、豪邸と呼ばれるのは過去の栄光。

今は、10年前…。起きた、火災で豪邸の姿は無くなっている。


だが、謎の声は今も響き渡っている。”毎日、午後3時の秒針が指し、動き出す18秒の間。

…ゲームは、まだまだ続きます。

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