第2話 探偵文月
「なんで中身がないんだよ」掘り起こした紀伊馬が言う
「いったいどうなってんだ」と久喜が続く
「中身は、ねえ中身は!」と瑠璃川
「誰か知らないの?」と綾瀬が言って全員を見回した
「これは…」と私は驚いた
「……」和久は最初「あっ」と言ったあと無言である
紀伊馬が逆さまにしても何も落ちて来ない。
完全に空だ。
紀伊馬と久喜と瑠璃川と綾瀬はずっと怒鳴っている。
そこへ今まで黙っていた和久が
「この中の誰かだろうね」
全員で和久を見る。
「まさか偶然ピンポイントでこの深さを掘った
別の人がいると思う?」
それを聞いて、皆がお互いを見合わせる。
「いったい誰だい?」と和久が聞く。
5人は顔を見合わせながら黙ってしまった。
「別に僕は怒りはしないよ。名乗り上げてくれれば不問とするよ」
しかし誰もなにも言わない。
「仕方ない。こうなったら同窓会って雰囲気ではないようだね」
そう言って和久はこの場を去って行く。
私は綾瀬にどうするか聞いた。
綾瀬は「私達も帰ろうか」
そう言ったので私と綾瀬もその場を後にした。
後ろを見ると、瑠璃川さんも久喜君も紀伊馬君も
別々の方向に歩いて行った。
まさかの結末で最悪な同窓会となった。
しばらくして大学構内で和久君を見かけた。
しかしなんて声をかけていいかわからなかった。
すると和久君が気づき
「やあ文月さん。この前はとんでもないことになったね」
「ええ。びっくりした。いったい誰が」
「6人の中の誰だろうね」
「6人?」
「そう。僕も文月さんも容疑者の1人だよ」
「そんな…」
「文月さんは普段なにやってるの」
「私はたまにアルバイトするぐらいでサークルとかは
入ってないです」
「もしよかったらだけど、犯人を捜してくれないかい?」
「私が?なんで」
「う~ん時間がありそうだから、かな」
「ひどい」
「ごめんごめん。でもタイムカプセルが空だった時、
文月さんが1番冷静だったからかな。感情的な人より
向いていると思うんだ」
「誰が犯人かは気になります。でも私が見つけられるとは」
そこへ綾瀬がやってきた。
「2人して何話してんのって、この前のことだよね」
「正解」と和久が言う
「今ね文月さんにお願いしていたんだ。
この事件の犯人を見つけてくれとね」
「えっ文月が?」
「引き受けるなんて言っていないよ」
「でも気になるんだよね」
「まあそれは…」
「ではよろしく頼むよ」
そういって和久君はアルバイトに向かって行った。
「あんた、ほんとにやるの?」と綾瀬
「やりたくないけど、やっぱり気になるなあ。
綾瀬も手伝ってくれる?」
「まじ?」
「まじ」
「わかった。手伝うよ。でもどうするの?」
「1人ずつ会って色々聞いて行こう。そして周辺の聞き込み」
「本格的だね。どうしたの?」
「やっぱり犯人知りたくて」
「私は和久さんのポイント稼ぎかと思った」
「そんなんじゃないよ」
「じゃあ何処へ行きますか。名探偵殿」
「そういうのやめて。まずは和久君に聞いておきたい」
こうしてまずは和久の働くBARに向かって行った。




